昨年は、10月に開催されていたが、今年は少し早い時期の開催となった岡山ラウンド。熊本地震の影響でオートポリスラウンドが中止となったことで、今回、JSB1000クラスは、2レース制となり、土曜日は、ノックアウト予選とレース1が行われた。天気は、朝から青空が広がりドライコンディションでタイムアタックが繰り広げられた。 まずは、Q1でレース1のグリッドとレース2の11番手以降のグリッドが、Q2でレース2の上位10番手のグリッドが決まる。40分間で行われたQ1では、絶対王者として君臨している中須賀克行が、3周目のアタックで1分28秒513をマークしトップに立つと、このタイムを上回るライダーは現れずポールポジションを獲得。2番手に1分29秒428で高橋巧がつけ、ようやくマシンがまとまってきたようだ。以下、津田拓也、野左根航汰、渡辺一樹が1分29秒台で続き、藤田拓哉、加賀山就臣、高橋裕紀、秋吉耕佑までがQ2に進出した。 15分で争われたQ2でも中須賀の速さは変わらず、真っ先にコースインすると1分28秒372をマークし、ダブルポールを獲得。何と12戦連続のポールポジションとなった。2番手に1分28秒台にタイムを上げた津田が入り、高橋巧も1分28秒台で3番手。久しぶりのフロントロウとなった。セカンドロウには、Q1と同じく野左根、山口、渡辺が並び、加賀山、藤田、秋吉、高橋裕紀というQ2となった。この中に、Team GREENの柳川明の姿がなかった。柳川は、先週行われた事前テストの際、アトウッドカーブ立ち上がりでハイサイド転倒し負傷。今回は残念ながら欠場を余儀なくされている。 そして15時過ぎに行われた決勝レース。気温は、このレースウイークで一番暑くなり、路面温度も50度近くまで上昇した。スタートダッシュを見せたのは、ポールポジションスタートの中須賀だった。これに野左根が続き、津田、加賀山、高橋巧、藤田、山口、渡辺、秋吉と続いて行く。「スタートダッシュを決めることができてよかった」とレース後に語るように、中須賀はオープニングラップから2番手以下を引き離すと、早くも独走体制を築き上げて行く。野左根の背後には、津田と高橋巧が、さらに渡辺が追い付き、4台での2番手争いとなって行く。レース中盤を過ぎると野左根と津田は何度も順位を入れかえ、小排気量クラスのようなバトルを繰り広げる。このとき6番手につけていた山口も2番手争いに加わって来そうな勢いだったが、その後ペースが上がらず単独走行となる。 レース終盤を迎え、2番手のポジションを守りたい野左根だったが、決勝直前にメインカーにトラブルが出てしまい、急きょマシンをスペアに切り換えてレースに臨んでいたが5、6速で回転が上がらないトラブルに見舞われてしまう。野左根はだましだまし走り続けていたが、津田と渡辺にかわされてしまい4番手に後退してしまう。後方では、ダンロップ勢最上位を走っていた秋吉が最終コーナーで転倒しリタイアを喫している。 トップを走る中須賀は、集中力を切らさずに24周を走り切りポールtoフィニッシュで11連勝を達成! まさに圧巻の勝利だった。2位に津田、3位に渡辺が入り、表彰台に上がった。野左根は4位、復調してきた高橋巧は5位、山口が6位でゴールした。以下、藤田、中冨、今野由寛、高橋裕紀、酒井大作、加賀山、近藤湧也、武石伸也、吉田光弘と続いた。 とにかく中須賀の強さは、群を抜いている。通算勝利や連勝記録など次々に更新されて行く中須賀の記録は、そのまま全日本ロードレース選手権の新たなページとなっている。「勝つ度に周りの期待が高まりますし、レースにはプレッシャーになりますが、そのプレッシャーを吹き飛ばすほどの努力はしていますし、それを楽しむくらいで臨みますよ」と中須賀。絶対王者として君臨する中須賀が次々に打ち立てる前人未踏のレコードは、どこまで伸びていくのだろうか!?