事前テストから他を圧倒する速さを見せていた中須賀。その速さはレースウイークに入ってからも変わらず、Q1でこそ津田拓也にトップを譲ったものの初開催となったQ2サバイバル予選を制し、盤石の体制を築いていた。
23周という長丁場で争われたJSB1000クラス。中須賀がスタートでフロントを浮かしてしまうが、その他のライダーも1コーナーへのポジション取りで接触があったことも影響したのかホールショットを奪う。2番手に高橋巧、3番手に柳川明、4番手に加賀山就臣と続き、5列目スタートの渡辺一馬が大外から一気に5番手につけ、山口辰也、津田、浦本修充と続く。この1コーナーへの混戦で今野由寛が他車と接触しフロントをひっかけられる形で転倒。早くも戦列を離れる結果となってしまう。
トップを走る中須賀は、オープニングラップからハイペースで飛ばし、2番手の高橋に1秒059もの差をつけて2周目に突入して行く。これを高橋、柳川が追い、間隔を空けて山口、野左根航汰、加賀山、渡辺一馬、浦本、渡辺一樹、津田拓也、ジョシュ・フック、伊藤勇樹、清水郁己、秋吉耕佑と続いていた。中須賀は、他を圧倒するペースで周回。3周目には、このレースのファステストラップとなる1分48秒889をマーク。4周目にも1分48秒台を記録する速さでアッと言う間に独走態勢を築いてしまう。その後方では高橋と柳川のバトルが繰り広げられるが、高橋がこれを制すると、さらに後方からペースアップした野左根が柳川に迫ってくる。5番手には山口がつけていたが、津田と渡辺一樹が迫り10周目のS字コーナー進入で津田が、11周目の5コーナーで渡辺一樹が山口をかわして、それぞれポジションを一つ上げる。
柳川の背後につけた野左根は、16周目のS字コーナー進入で柳川をかわして3番手に浮上。そのまま柳川を引き離すかと思われたが、柳川も意地を見せ野左根に食い下がる。
トップを独走する中須賀は、ハイペースのまま23周を走り切り2連勝を飾る。2位に入った高橋巧に13秒以上の大差をつける圧巻の勝利だった。3位争いは野左根が制し、JSB1000クラス初表彰台を獲得。4位に柳川が入り、5位に津田、6位に渡辺一樹、7位に山口辰也と続いた。8位には、開幕戦鈴鹿での負傷から復帰した加賀山が入り、9位に秋吉、10位にジョシュと続くトップ10となった。 |