2015年の全日本ロードレース選手権シリーズJ-GP2クラスの第2戦が栃木県・ツインリンクもてぎで開催された。本大会はMoto2に合わせて19周と昨年より6周多い周回数で争われる。午後1時、路面温度は49度まで上昇するコンディションの中で決勝レーススタート!
予選3番手の岩田悟が抜群のロケットスタートを決めてホールショットを奪う。高橋裕紀は得意とするスタートでホールショットを獲れず2番手で1コーナーをクリア。「岩田選手、生形選手、関口選手までも"殺気を感じるぐらいのものすごい進入"だった」とレース後にコメントするほどだった。3番手に生形秀之、予選6番手の関口が4番手で2コーナーを立ち上がる。続く3コーナーへは、生形はインから、岩田と高橋はアウトから生形、高橋、岩田の順で進入。生形がやや失速し、接触しそうになった高橋がアクセルを戻したことから4コーナー立ち上がりでは、岩田、生形、関口、そして高橋の順となる。しかし5コーナー進入で関口をとらえた高橋が3番手に復帰してファーストアンダーブリッジを通過する。ヘアピン進入では高橋がアウトから生形に、かぶせクロスラインからパスして2番手浮上。直後のダウンヒルストレートでから90度コーナーの進入では生形が高橋のインを突くもののアウトに膨らみ高橋をかわすことができない。オープニングラップは、岩田、高橋、生形、関口、予選8番手の井筒仁康が5番手、日浦大治朗、上和田拓海、石塚健、渥美心、佐藤太紀のトップ10。2周目の1コーナーでは、高橋が岩田のインを刺してトップに浮上。ここから高橋はペースを上げ、岩田、生形との差を広げて行く。これを追いたい岩田だったが、その直後のV字コーナーでフロントからスリップダウン、戦列から離れてしまう。
高橋は早くも2周目にただ一人1分53秒台に入れる1分53秒514、3周目には1分53秒279と、昨年高橋自身がマークしたファステストラップ(1分53秒338)を上回り、予選後にコメントしていた「昨年の自分のタイムを塗り替える」を実践した。3周目の1コーナーでは7番手を走っていた石塚と上和田が接触転倒、共にリタイアとなるアクシデントが発生する。
トップ高橋はコンスタントに1分53秒台で周回、5周目には2番手生形に5秒もの差をつけてひとり旅となる。その生形も後続の3位争いグループに2秒459秒の差をつけて単独走行となる。
その後方、3番手争いをしている井筒、日浦、関口のサードグループの闘いが激しくなった。4周目の第5コーナーで日浦が井筒をパス、3番手に浮上する。ここで関口が少しずつ遅れ始める。日浦はベテラン井筒、関口を引っ張りながら周回を重ねるが、12周目に井筒が日浦をかわして再び3番手に浮上する。関口は日浦の後方2秒2に位置していた。
トップひとり旅となった高橋だが、その後も攻め続け12周目には1分53秒226のファステストラップをたたき出す。そのまま毎周約1秒ずつ後続との差を広げながらラスト2周には17秒151もの大差をつけてファイナルラップに突入、ぶっちぎりの独走で2連勝を飾った。
一方、単独2番手走行をしていた生形に、井筒がひたひたと近づいてきた。それまで1秒以上空いていた間隔が16周目にはコンマ5秒を切り、確実に生形の背中をとらえるようになった。これについていきたい日浦だったが井筒に離されてしまう。しかし井筒の追撃もここまで、生形が2位でチェッカー、井筒は3位表彰台を獲得、4位には前戦同様日浦が入る。以下、5位関口、6位渥美、7位星野、8位佐藤、9位長尾健吾、10位岩崎哲郎のトップ10であった。 |