J-GP2クラスもウエット宣言が出され、レースは2周減算の16周で争われることになった。セカンドグリッドからホールショットを奪ったのは、昨シーズンのST600クラス覇者、デチャ・クライサー。生形秀之、浦本修充、高橋英倫、井筒仁康と続く。生形は3コーナーでデチャをかわしトップを奪うと、デチャとの差を広げていく。後方では星野知也がヘアピンカーブで井筒をかわし5番手に浮上。オープニングラップを制したのは生形。2番手をデチャ、浦本、高橋、星野が争う。井筒はこのグループから徐々に離されてしまう。生形は、そのままレースをリード、浦本が2周目の5コーナーで2番手にポジションを上げ、デチャの後ろでは星野が高橋のインから前に出る。しかし直後の130Rでは高橋がポジションを奪い返すと、S字コーナーではデチャをもかわし3番手に浮上。さらにダウンヒルストレートで浦本を抜き2番手に上がると、ペースを上げ生形を追っていく。
生形、高橋、浦本、デチャ、星野の順で3周目に突入。星野は5コーナー手前でデチャを抜き4番手にポジションアップ。トップの生形と高橋の差が縮まり、浦本、星野、デチャが3番手を争う展開に変わっていく。続く4周目、星野がV字コーナーで浦本をかわしこのグループのトップに立つ。3番手争いの後方では、追い上げてきた野左根航汰が5周目に入るコントロールライン手前で井筒を抜き、6番手に浮上する。
ペースアップした3番手争いから一時は離されそうになったデチャだったが、ウエットの感触をつかむと5周目のヘアピンカーブで浦本をパス。今度は浦本がこの争いから離されてしまう。
レース中盤になると生形と高橋によるトップ争いと、星野とデチャによる3番手争いの一騎打ちが激しくなっていく。その後、7周目、ヘアピンカーブの立ち上がりで星野をかわしたデチャはさらにペースを上げ、トップ争いの2台に迫っていき、三つ巴のトップ争いとなる。10周目には5コーナーで高橋を捕らえ、2番手に浮上。さらにヘアピンカーブでバックマーカーの混雑を縫って、生形を抜きトップに立つ。その先の90度コーナーでは高橋が生形の前に出ていく。
デチャ、高橋のペースは速く、高橋は11周目に2分03秒557というファステストラップをマーク。生形との差は約1秒半に広がった。しかしその翌周、トップを走るデチャがV字コーナーの立ち上がりでハイサイドから激しく転倒。幸いにもライダーにダメージは、ほとんどなかったものの残念ながらリタイアとなってしまう。
その後、生形は高橋との差を詰めチャンスを伺っていたが、勝負に持ち込むところまで届かず、高橋がトップでチェッカーを受け、うれしいJ-GP2初優勝を飾った。コンマ5秒足らずの差で生形が2位。レース中盤から単独走行となっていた星野が3位表彰台を獲得した。野左根が4位までポジションを上げチェッカー。5位以降は浦本、長島哲太、井筒、中村豊の順にゴールしている。 |