金曜日はドライ、土曜日はウエット、そして決勝日朝のウォームアップはウエットと天気に翻弄される形となった第5戦オートポリス。決勝もグリッドについてから、雨が落ちてきたためスタートがディレイとなり、周回数も17周から2周減算され15周で争われることになった。
そしてスタートを迎える。ホールショットを奪ったのは、予選3番手グリッドの加賀山就臣。高橋巧、初ポールポジションの浦本修充、渡辺一馬と続いて行く。直後の3コーナーでは、高橋巧が加賀山をかわすと、そのままレースをリードして行く。3コーナーの立ち上がりでは、秋吉耕佑の代役で参戦した大久保光が転倒し、早くも戦列を離れてしまう。オープニングラップから積極的に飛ばす高橋巧は、2番手以下を引き離してホームストレートに戻ってくる。加賀山も単独となり、3番手には、渡辺がつけ、酒井大作、中須賀克行、津田拓也、マイケル・ファン・デル・マーク、藤田拓哉と続いて行く。そのまま独走した高橋巧だったが、5周目に視界不良のために赤旗が提示され、残り12周で再スタートが切られることになった。
仕切り直しとなったレースは、3周終了時の順位でグリッドにつき、再スタートが切られる。セカンドグリッドからスタートした加賀山が、再びホールショットを奪い高橋巧、中須賀、渡辺、マイケルと続いて行く。ここで積極的な走りを見せたのがマイケルだった。3コーナーから4コーナーで渡辺、中須賀をかわすと、第2ヘアピンでは、高橋巧と加賀山を一気にかわしてトップに浮上する。これに続けとばかり、中須賀もジェットコースターストレートからの右高速コーナーで高橋巧をかわし3番手に浮上する。オープニングラップは、マイケルが制し、加賀山、中須賀、藤田、高橋裕紀、渡辺、酒井、中冨伸一、松崎克哉と続く。その後方では、津田が山口辰也にかわされるが、その直後に山口にマシントラブルが発生し、それを避けるために津田はポジションを落としてしまい、12番手でホームストレートを通過して行く。
2周目には、中須賀と高橋巧も加賀山をかわしポジションを上げるとトップ3が4番手以下を引き離して行く。そして3周目の1コーナーで中須賀がマイケルをかわしトップに浮上する。中須賀は、そのままリードを広げて行く勢いだった。これに置いて行かれまいと高橋巧も上りのコンビネーションコーナーでマイケルをかわし2番手に上がると、中須賀に迫って行く。この2人のペースにマイケルはついて行けず単独3番手となる。中須賀と高橋巧は、一騎打ちのトップ争いを繰り広げたが、それも長くは続かなかった。8周目に突如、高橋巧がスローダウン。マシントラブルが発生してしまい、そのままピットに戻りリタイアとなってしまう。
これでトップ独走となった中須賀は、そのままチェッカーフラッグを受け、今シーズン1勝目をようやく挙げる結果となった。ヤマハ1-2の一翼を担っていたマイケルだったが、残り2周を切った11周目の第2ヘアピンで痛恨の転倒。再スタートし14位でゴールしたが、結果以上にスーパーバイク世界選手権のトップライダーの実力を見せてくれた。マイケルの転倒で2番手に上がったのは、追い上げのレースを見せた津田だった。その後方では、濱原颯道と藤田と三つ巴のバトルを制した渡辺が3位に入り、カワサキのホームコースで表彰台に上がった。3位争いを繰り広げ、最終ラップの第2ヘアピンで勝負に出た藤田と濱原は、共にコースアウトし、それぞれ7位、12位となった。以下、松崎、加賀山、浦本と続いてチェッカーフラッグを受けた。 |