全日本ロードレース選手権はシリーズ第7戦岡山国際を迎え、JSB1000クラスは、残すところ2戦3レースとなった。前戦オートポリスで中須賀克行が優勝し、高橋巧が転倒後10位となったためポイントランキングは中須賀が逆転しトップに浮上、4ポイント差で高橋が追う展開となって今回のレースを迎えた。中須賀は、岡山国際サーキットとは相性はいいと語るが、高橋は、逆によくないと言う。ここで少しでもポイントを引き離したい中須賀と、差をつけられないようにしたい高橋の想いが交錯。タイトルを争う2人のバトルの行方はどうなるだろうか? 事前テストでマシンセットがほぼ決まったという中須賀は、金曜日にロングランを行いアベレージもよかったこともあり、2番手タイムもまったく焦りはなかったと言う。ノックアウト方式で行われた公式予選では、Q1で1分29秒233をマークし、トップタイムをマークすると、トップ10チャレンジでソフトタイヤを履いてコースレコードを上回る1分28秒370をたたき出し、今シーズン4度目のポールポジションを獲得した。これまでのコースレコードは、2008年に秋吉耕佑が記録した1分28秒387だったが、このときは路面の舗装が一新されたばかりでコンディションがよかったこともあり、レコードを更新するのは難しいと思われていたが実に6年振りに塗り替えられる結果となった。「マシンの仕上がりはいいですし、ポールポジション、コースレコードは意識せずに走りました。決勝は、スタートで前に出て自分のペースで走って主導権を握りたいですね」と中須賀。 一方、高橋は、1分28秒台には入らなかったがQ1では、アベレージもよく、十分トップ争いができる状態だ。「金曜の状態に比べれば、かなりよくなりました。マシンセットはまだ詰めたい部分は残っていますが勝負できると思います。まずはスタートを失敗しないことが重要課題ですね」と高橋。 中須賀と高橋の間に割って入ったのがヨシムラの津田拓也だ。津田は、金曜日にソフトタイヤで1分28秒474という好タイムをマークしており、予選ではさらにタイムを縮めてくると思われた。しかし気負い過ぎたかタイムを更新できず2番手となった。「ポールポジションを狙っていきましたが何カ所かミスしてしまい金曜日よりタイムを出すことができませんでした。ただ、マシンの仕上がりはいいですし、レースでは中須賀選手を逃がさないことが重要だと思っています。前に出て自分のペースで走ることができればいいですね」と津田。今のところトップ3の仕上がりが群を抜いており、この3台は確実にトップ争いを繰り広げるだろう。 トップ3に続いたのは、市販キット車を駆る山口辰也だ。事前テストから調子はよかったが、さらにトップに近づくためにスイングアームを変更することを決意。レースウイークにぶっつけとなったが、それがいい方向に進んでいると言う。アベレージも1分29秒台で走れると語り、トップグループに絡む可能性は十分あるだろう。前戦のオートポリスでは、トップと僅か1秒457の4位でゴールしているだけに今回も最後までトップグループに加わる走りを見せてくれそうだ。 Team GREENの柳川明が5番手、渡辺一樹が6番手と、そろって2列目からのスタートとなる。圧倒的なストレートスピードを見せるカワサキ勢がレースをかき回してくれるかもしれない。7番手につける加賀山就臣も徐々に調子を上げているところだ。前戦のオートポリスではオープニングラップでトップに浮上し、存在感を強烈にアピールした。スタートダッシュには定評があるだけに、今回も3列目からホールショットを奪う可能性は高い。 マシンの仕上がりで見ると、やはり中須賀は群を抜いており、スタートを決めてレースをコントロールしたいところだろう。これを津田、高橋が止めることができるか!? 後半セクションでスピードを見せる山口も侮れない。 決勝日も絶好の秋晴れになりそうな岡山国際ラウンドは好バトルが期待できそうだ。リッタースーパースポーツマシンが繰り広げる国内最高峰のレースを制するのは誰だ!?