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INFORMATION 秋晴れ&ロングダートの大会は接戦の連続!【2024全日本スーパーモト選手権レポート】

2024全日本スーパーモト選手権第6戦レポート
2024年10月13日(日)
名阪スポーツランド(奈良県)

秋晴れ&ロングダートの大会は接戦の連続!

昨年よりも1戦増えて全7戦のスケジュールとなった今季の全日本スーパーモト選手権シリーズは、いよいよシーズン終盤戦を迎え、10月13日(日)には第6戦が奈良県の名阪スポーツランドで開催された。

今季第4戦でも使用されたこの施設は、複数のオンロードコースに加えて、全日本モトクロス選手権も開催されるモトクロスコースも有する。これまでと同じく今大会では、ミニバイクなどの走行用に設けられたオンロードのABコースと、サンド質を特徴とするモトクロスコースをつないだ特設コースで競われた。ただし、カートコースの一部をパドックとして利用したため、ターマック区間は前回より大幅に減少。逆にダートセクションは、路面こそフラットながら距離が伸ばされ、前回は降雨の影響で使えなかったテーブルトップジャンプも組み込まれた。さらに、ターマックからダートへの接続が、舗装された誘導路ではなくそのままダートにつながるなど、コースの仕様は大幅に変更された。

天候は晴れで、路面はドライコンディション。陽射しは強めだったが、最高気温は25℃で爽快なコンディションとなった。

 

2レース優勝の小原堅斗が再びランク首位に浮上!

全日本最高峰となるS1プロクラスは、参加した15名全員が4スト450ccマシンを駆り、予選は15分間のタイムアタック方式、決勝は10周の2レース制で競われた。前戦終了時点で、昨年度王者の日浦大治朗(#1)が202点でランキングトップに返り咲き、これを196点で小原堅斗(#2)が追う状態。タイムアタック予選では、小原が1分4秒971でトップ、日浦が1分5秒223で2番手と、ダートを得意とする小原がまずは優位に立った。予選3番手は1分6秒095の佐藤瑞城(#20)で、ここまでが決勝レース1のフロントロースタート。同2列目には、1分7秒226で予選4番手の川島颯太(#3)、1分7秒863で予選5番手の金子和之(#5)、1分8秒506で予選6番手の新沼伸介(#10)が並んだ。なお、このクラスで活躍を続けてきた長谷川修大(#4)は、予選早々にクラッシュしてレースをキャンセル。広瀬彰信(#21)も決勝出場を見送り、決勝は13台の出走となった。

決勝レース1では、小原がホールショット。これに日浦と川島が続いた。1コーナーでフロントタイヤを弾かれた川島はコースアウトしたが、3番手のままレースに復帰。オープニングラップは小原が制し、2秒ほど離されて日浦と川島が追い、さらに3秒ほど遅れて金子が続いた。予選3番手の佐藤は遅れ、佐々木啓之(#13)と新沼と川留健一(#26)が先行。2周目、日浦は川島を若干離しながら小原に1秒差まで接近した。3周目、3番手の川島は日浦から約3秒、4番手の金子は川島から約4秒遅れ、佐々木を先頭に6台となった5番手争いの大集団は、金子から早くも7~8秒離された。

レース前半が終了する5周目、小原は日浦とのギャップを再び2秒に拡大してトップを快走。さらに日浦を約2秒差で川島が追った。4番手の金子は川島に8秒ほど離され、転倒などによる脱落で4台となった5番手争いの集団は金子から完全に遅れたため、優勝争いは小原と日浦と川島の3台にほぼ絞られた。レース後半、日浦は2秒ほどの差でトップの小原をマークし続けたが、その差は縮まらず。一方、3番手の川島は微妙に日浦から遅れ始めると、8周目にエンストを喫し、これで日浦とは約6秒のギャップになった。そして10周のレースは、最後まで2秒以上のリードを守った小原が優勝。日浦が2位となった。川島は3位、金子は4位。5位争いは、8周目に先行した佐藤が逃げ切った。一方、佐々木と新沼は最終ラップまで接近戦を続け、佐々木がポジションを守って6位となった。

決勝レース2は、レース1のゴール順位でスターティンググリッドへ。小原がホールショットを奪い、これに日浦と川島と佐藤と金子が続いた。ダートセクションでは、日浦が他車の接触を受けて4番手に後退。これで1周目は小原、川島、3秒ほど間隔を開けて佐藤、日浦、佐藤、金子、佐々木、新沼、呉本朝也(#17)の順となった。2周目以降、3番手の佐藤はトップ2についていくことができず、徐々にギャップが拡大。佐藤の背後には日浦と金子が僅差で迫り、3周目の段階では小原と川島が接戦のトップ争い、6~7秒遅れて佐藤と日浦と金子による三つ巴の3番手争いとなった。この周、セカンドグループから7秒ほど遅れた6番手には新沼が浮上。4周目、トップの小原が1.5秒ほどのリードを奪った。

5周目、3台による3番手争いに加わっていた金子がダートで転倒。5番手のままレースに復帰したが、前の2台からは大きく遅れ、背後には新沼が迫った。レース後半、トップ争いでは川島が転倒もあって遅れ、トップの小原が独走状態。一方、3番手争いは依然として接戦が続き、日浦が佐藤に肉迫したが、パッシングのチャンスを得られずにいた。ラスト2周となる9周目に入る段階で、小原のリードは約6秒。最後にリヤブレーキトラブルが発生した小原はペースを落としたが、それでも川島に追いつかれることはなく、小原が優勝、川島が2位となった。3位争いは、ゴール手前のターマックセクションで佐藤に日浦が並び、両者接触しながら日浦が逆転。日浦が3位、佐藤が4位となった。レース後半に新沼を離した金子が5位、8周目に新沼を抜いた呉本が6位となった。今大会の結果、チャンピオン争いは小原が日浦を8点リードして、最終戦に臨むことになった。

小原堅斗(レース1・優勝/レース2・優勝)
「コースレイアウトこそ違いますが、このコースで再び2レースとも勝つことができました。第4戦と比べてダートが延長され、モトクロス出身の自分は自身を持って臨むことができましたが、一方で現在の日浦大治朗選手はダートでも本当に速いので、怖い存在であることに変わりありませんでした。とはいえ今回は、楽しく走るということを意識していたので、それほど緊張せずレースに挑めたと思います。レース1は、その日浦選手がすぐ後ろにいて、どこで仕掛けてくるかという怖さもある一方、それこそがレースなのでワクワクもしていました。レース2は、同じモトクロスライダーの川島颯太選手に追われていて、ピタっと張り付かれた瞬間はかなり警戒しましたが、とはいえダートでしっかりインを閉めて、ターマックではしっかりマシンを進めていけば、抜かれることはないだろうとも考えていました。チャンピオン争いのことはあまり考えたくないので、最終戦もとにかく自分がやれることをしっかりやるだけ。次はターマックでの速さが求められるコースになると思うので、日浦選手といいバトルができるよう、しっかり準備します」

川島颯太(レース1・3位/レース2・2位)
「前戦で12位と11位という酷いレースをやってしまい、完全にメンタルをやられてしまったので、そこから挽回してこの結果を残せたことで、最低ラインをクリアして少し自信を取り戻せたように思います。今回はクラッチトラブルが発生してしまい、エンストやそれに伴う転倒がありましたが、それがなくても小原堅斗選手に太刀打ちすることはできなかったと思います。レース2は、序盤こそ淡々とついていくことができていましたが、微妙に離され始め、焦りを感じたところでミス。ターマックで詰まるのですが、ダートで離されてしまっていたので、これでは仮に追いつけたとしても、勝負を仕掛ける場所がありません。小原選手に対しては完敗でしたが、それでも総合2位に帰ってこられたことは満足。最終戦の舞台となる美浜サーキットは好きなコースなので、有終の美に向けてまずはいいステップになったと思います」

↑ レース1、レース2ともにホールショットから一度もトップの座を明け渡すことなく快走した小原堅斗(#2)が、第4戦以来今季2度目の2レース優勝を達成

↑ レース1では途中でトップ争いから脱落するも3位、レース2では序盤に小原堅斗選手(#2)を僅差で追って2位となった川島颯太(#3)

↑ レース2では、日浦大治朗(#1)と佐藤瑞城(#20)が激闘を演じ、最後に逆転して日浦が3位。日浦はランキング2番手に後退したが、最終戦で2レースとも勝てば逆転可能

↑ 表彰式は2レース総合成績で実施。写真中央が2レース制覇の小原堅斗(#2)、同左が総合2位の川島颯太(#3)、同右が川島と同点ながら総合3位の日浦大治朗(#1)

 

スポット参戦の伊藤諒が再び2レース制覇を達成!

S1オープンクラスは、15分間のタイムアタック予選と、8周の決勝2レースで競われた。今大会には27台がエントリー。予選では、レイアウトこそ異なるが同じ会場で実施された今季第4戦で、久々の全日本復帰を2レース制覇で飾った伊藤諒(#49)が、1分7秒810でトップとなった。予選2番手は、S2クラスとのダブルエントリーを続ける佐藤祐季(#46)で、タイムは伊藤と0.512秒差の1分8秒322。予選3番手は1分8秒995の高山直人(#23)が入ったが、決勝出走はキャンセルしたため、4番手タイムの沖勇也(#44)が繰り上がり、ここまでが決勝レース1のフロントロースタートとなった。また、S2クラスとダブルエントリーした鈴木優那(#50)、梅田祥太朗(#6)、宮岡貴之(#51)までが、決勝レース1のセカンドロースタートとなった。ポイントリーダーの田淵智之(#17)は予選8番手だった。

迎えた決勝レース1は伊藤のホールショットで幕を開け、これに佐藤や沖や鈴木らが続くと、モトクロス出身の鈴木がダートセクションで2番手まで順位を上げた。オープニングラップは伊藤、鈴木、沖、佐藤、佐々木徹(#12)、梅田、宮岡、水野彰久(#8)らの上位勢。2周目には伊藤と鈴木と沖が僅差のトップグループを形成し、これを約3秒差で佐藤が追うカタチになった。レースが中盤に入ると、トップ3台のバトルはさらに激しさを増し、この中で沖が鈴木をパスして2番手に浮上。佐藤が依然としてトップ集団を3秒程度の差で追い、この佐藤から2秒ほど遅れた5番手の佐々木に、梅田と宮岡が続いた。

このまま三つ巴のトップ争いが終盤まで続くかと思った矢先、3番手を走行していた鈴木がダートセクションで転倒して8番手まで後退。一方、伊藤と沖はなおも接近戦を続け、トップ2から5秒ほど離れて佐藤、さらに4秒ほど遅れて佐々木と梅田と宮岡による僅差の4番手争いとなった。レース終盤、沖は伊藤に肉迫して逆転のチャンスを狙ったが、伊藤も要所をしっかり守って周回。0.138秒差で抑え切ってトップチェッカーを受けた伊藤が優勝、沖が惜しくも2位となった。終盤にトップ2から少し遅れた佐藤が3位。鈴木の脱落によって4位争いに昇格した三つ巴のバトルは、佐々木が最後まで順位を守って4位、梅田が5位、宮岡が6位となった。鈴木は、水野をパスして7位でゴールしている。

決勝レース1のゴール順でグリッドに並んでスタートしたレース2は、伊藤がホールショット。これに沖、佐藤、佐々木が続くと、オープニングラップから伊藤と沖が接近戦を繰り広げ、3番手の佐藤を3秒ほど離した。4番手には宮岡が順位を上げ、これを鈴木と佐々木が追撃。しかし2周目以降、佐々木は徐々に差を広げられ、4番手争いは宮岡と鈴木の接戦となった。伊藤と沖は、僅差のバトルを継続。3番手の佐藤も必死に追ったが、4周目に少し遅れ、ギャップは5秒程度になった。そのためこの段階で、伊藤と沖がトップ争い、佐藤が約5秒差の3番手、そこから2秒ほど遅れて宮岡と鈴木がこちらも接戦の4番手争いを続け、6番手の佐々木はここから4秒ほど遅れていた。

5周目、佐々木はさらに鈴木から遅れ、背後には菅野景介(#16)や田淵や水野が接近。6周目には、10番手の梅田まで5台がほぼワンパックとなった。レース後半、伊藤と沖は依然として僅差のトップ争い。佐藤はこの2台から5~6秒差で、宮岡と鈴木も接戦を継続しながら佐藤を2秒程度の差で追った。レース終盤、トップの伊藤が1秒程度のリードを得る場面もあったが、最終ラップとなった8周目に、周回遅れを利用して沖が再接近。しかし最後まで順位は変わらず、伊藤が僅か0.260秒差でトップチェッカーを受け、沖は再び僅差で届かず2位となった。佐藤は3位、宮岡は4位、最後まで2台を追い続けた鈴木が5位。一時は5台の集団となった6位争いは、佐々木が最後まで後続を抑えてゴールした。今大会、ポイントリーダーの田淵は14位と8位に終わったが、142点でランキングトップは守った。またランキング2番手には128点の佐藤、同3番手には124点の沖が浮上した。

↑ 今季2度目の参戦となった伊藤諒(#49)が、再び2レース制覇を達成。伊藤は、今季ここまで出場したすべての全日本レースで勝利を獲得していることになる

↑ レース1、レース2ともに伊藤諒(#49)を僅差で追い続けたが、逆転のチャンスを得られず惜しくも2位となった沖勇也(#44)。ランキングは3番手に浮上した

↑ S2クラスとのダブルエントリーを続ける佐藤祐季(#46)は、トップ2に離されたものの2レースとも3位を獲得。ランキング2番手に浮上した

↑ トップ3は2レースとも同じ顔ぶれに。写真中央が優勝した伊藤諒(#49)、同左が2位の沖勇也(#44)、同右が3位の佐藤祐季(#46)

 

モトクロス出身の鈴木優那が2レースとも勝利

前戦終了時点で藤田友貴(#6)が198点、佐藤祐季(#23)が194点を獲得し、し烈なチャンピオン争いが続いているS2クラスは、6台がエントリー。こちらも、予選は15分間のタイムアタック方式で、決勝は8周の2レース制となった。タイムアタック予選では、佐藤祐季が1分9秒019のトップタイムをマーク。予選2番手は、このコースで実施された第4戦で、ケガから約1年半ぶりに復帰していきなり2レースを制覇した女性ライダーの鈴木優那(#26)で、タイムは佐藤祐季と0.163秒差の1分9秒182だった。予選3番手は1分10秒814の藤田で、ここまでが決勝レース1のフロントロー。予選4番手の佐藤省吾(#5)は1分14秒920で、トップ3がラップタイムでは完全に抜け出した状態だった。

決勝レース1は、ポールポジションスタートの佐藤祐季が順当にホールショット。これに鈴木と藤田が続いた。佐藤省吾はダートセクションでミスして最後尾に後退。オープニングラップは佐藤祐季がトップで、これを僅差で鈴木が追い、2秒ほど遅れて藤田が3番手で続いた。2周目、佐藤祐季がエンストして3番手に後退。これで鈴木がトップに立ち、2番手の藤田に対して約3秒のリードを奪った。佐藤祐季は2番手の藤田を約3秒差で追撃。3周目は、ほぼ同じ間隔を保った。しかし4周目、2番手を走っていた藤田が転倒。佐藤祐季が2番手となり、鈴木のアドバンテージは約6秒に拡大した。

藤田は3番手でレースに復帰したが、2番手の佐藤祐季とは9秒ほどのギャップ。これにより、トップの鈴木、2番手の佐藤祐季、3番手の藤田は、それぞれ単独走行となった。一方、ここから大きく遅れた4番手争いは、3周目に接近戦となり、4周目と5周目に1台ずつを抜いた佐藤省吾が集団の先頭に立つと、その後は後続を離していった。レース終盤、佐藤祐季は鈴木、藤田は佐藤祐季を懸命に追ったが、その差はほとんど変わらず。レースは8周でチェッカーとなり、それぞれが単独走行で鈴木が優勝、佐藤祐季が2位、藤田が3位、佐藤省吾が4位となった。

レース1のゴール順でスターティンググリッドに並んだレース2は、ポールポジションスタートの鈴木がやや出遅れ、佐藤祐季がホールショット。これに鈴木と藤田が続いた。オープニングラップは佐藤祐季が制し、僅差で鈴木が追撃。藤田はトップ2から3秒ほど遅れ、さらに3秒ほどの間隔を開けて佐藤省吾が続いた。2~3周目にかけ、佐藤祐季と鈴木はさらに後続を離しながら、接近戦を展開。3周目の段階で、3番手の藤田はトップ2台から8秒ほど遅れ、なおかつ4番手の佐藤省吾に対しては8秒ほどのリードを奪ったため、この段階で単独走行となった。4周目、ダートセクションで佐藤祐季が転倒。これにより鈴木は、難なくトップに立った。

佐藤祐季はすぐに再スタートし、鈴木と約3秒差の2番手。5周目はほぼ互角のラップタイムだったが、6周目と7周目は佐藤祐季のほうが僅かに速く、最終ラップの8周目に突入する段階で、1秒程度のギャップとなった。しかし最後は鈴木がダートで僅かにリードを拡大。そのまま逃げ切った鈴木が、第4戦以来となる今季2度目の2レース制覇を果たした。佐藤祐季は惜しくも2位。藤田は序盤から単独走行を続けて3位、後続に対するリードをしっかり守った佐藤省吾が4位となった。今大会の結果、ポイントランキングでは佐藤祐季がトップに再浮上。藤田が4点差で追って、最終戦の2レースに臨むことになった。

↑ 今季第4戦でケガから約1年半ぶりに復帰して2レースとも優勝した鈴木優那(#26)が、同じ会場で実施された今大会でも、再び2レースで勝利を収めた

↑ いずれのレースでも、ミスによりトップの座を明け渡す悔しい展開で2位となった佐藤祐季(#23)。それでも、シリーズランキングでは4点リードのトップに返り咲いた

↑ ランキングトップで今大会に臨んだ藤田友貴(#6)は、2レースともに3位。ランキング2番手に後退したが、トップとの差は僅か4点。最終戦での逆転を狙う

↑ 写真中央が2レース制覇を果たした鈴木優那(#26)、同左が2位を獲得してランキングトップに返り咲いた佐藤祐季(#23)、同右が3位となった藤田友貴(#6)

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