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INFORMATION 大会公式レポート – 2024年MFJモトクロス全国大会(オフロードヴィレッジ)

各地区のチャンピオンが競い合う、熱いバトルの行方は。MFJモトクロス全国大会(オフロードヴィレッジ)

11月10日、MFJモトクロス全国大会が埼玉県にあるオフロードヴィレッジにて開催された。同大会は各地方選手権シリーズで競うナショナル(国内A級)/ノービス(国内B級)/ジュニアクロス、そして承認クラスを対象に開催される全国地区対抗戦。全国選抜クラスの優勝者にはライセンス2階級特進の特典が与えられ、これまで全日本の舞台で活躍する多くのライダーを輩出している。

昨年までは年に1回の開催であったが、今年は2つの会場で行われる。さらに出場資格の制限が撤廃され、各クラスに適用するライセンスを持っている全てのライダーがどちらの大会にも出場できるようになった。

MFJモトクロス全国大会(オフロードヴィレッジ)

日時:2024年11月10日(日)
会場:オフロードヴィレッジ(埼玉県)
天気:曇り
大会ページ:https://www.mfj.or.jp/national/2024-mx-major-competitions/mx-national-championship-1/

ナショナル(NA)

外間が他を寄せ付けない速さを見せる

#144外間大詩(T.E.SPORT Jr./ホンダ CRF250R)

ナショナルクラスは15分+1周で行われた。ヒート1、スタートで前に出たのは#144外間大詩(T.E.SPORT Jr./ホンダ CRF250R)。その後ろから#92加藤巧武(T.E.SPORT Jr./ホンダ CRF250R)、#51飯沼泰裕(KMR/ホンダ CRF250R)、#910工藤博ノ介(TKMmotorsports/ホンダ CRF250R)が追いかける。関東地方のチャンピオンである外間が群を抜いたスピードで後方を引き離して単独走行へと持ち込むと、序盤で抜け出した加藤も3番手以降との差を広げていく。一方、工藤が3番手を走る飯沼をパスするが、抜かれた飯沼も負けじと喰らいつく。レース後半にはこの2人に#37青木聖弥(TEAMHOLSTEIN/ヤマハ YZ250F)も迫り、3番手争いは拮抗する。工藤にプレッシャーがかかる状況であったが、最後までペースを崩すことなく逃げ切りゴール。1位外間、2位加藤、3位工藤という順でレースを終えた。

#92加藤巧武(T.E.SPORT Jr./ホンダ CRF250R)(奥)/#910工藤博ノ介(TKMmotorsports/ホンダ CRF250R)(手前)

 

#92加藤巧武(T.E.SPORT Jr./ホンダ CRF250R)

ヒート2では加藤がスタートでトップに立ったが、すぐに外間が抜き去りリードを広げる展開。その後方で加藤、工藤、飯沼がバトルを繰り広げていく。序盤で飯沼が工藤に迫るが、転倒し戦線を離脱。一方、工藤は加藤との差を詰めて攻め続けるが、加藤が最後までポジションを守ってフィニッシュ。1位外間、2位加藤、3位工藤という順位でゴールし、2ヒートともに優勝した外間が総合優勝を獲得した。

#144外間大詩
「昨日の練習で転倒して手首を痛めてしまったのですが、その中でも自分の走りができるように周りの人たちがサポートしてくれたおかげで結果を残すことができました。ここ最近バイクも身体も調子が良くて、自分のメンタル次第で勝てるかが決まるという感じでした。シーズンを通して自分の成長を感じてきて、今回の全国大会は自分が変われるタイミングでもあったので、そこで優勝できて、自信をつけることができて嬉しいです」

ノービス(NB)

各地方のチャンピオンが勢揃い、名島がトップを守り切る

#58名島玖龍(KAZU Racing Project/ホンダ CRF250R)

ヒート1は序盤で関東地方チャンピオンの#58名島玖龍(KAZU Racing Project/ホンダ CRF250R)が抜け出しトップを走行。後方には中部地方チャンピオンの#328佐藤太亮(タカホンレーシング/ホンダ CRF450R)、東北地方チャンピオンの#128福田龍人(YSP京葉ツイスターレーシング/ヤマハ YZ250F)、そして近畿地方チャンピオンである#80水野零埜(YSP浜北大橋レーシング/ヤマハ YZ250F)が続き、各地方の王者が優勝を狙う。序盤で佐藤が名島に迫り、一時は接触するほどの接戦を繰り広げたが、佐藤が途中で転倒。その隙に名島は差を開き、トップを快走する。一方、佐藤をかわした水野が2番手に浮上。佐藤はすぐに復帰すると水野にアタックし、2位争いを繰り広げるが再び転倒してしまう。結果、最後まで安定した走りでトップを譲らなかった名島が優勝。2位にポジションを守りきった水野、3位にはポジションを上げた福田が入賞を果たした。

#80水野零埜(YSP浜北大橋レーシング/ヤマハ YZ250F)(左)/ #128福田龍人(YSP京葉ツイスターレーシング/ヤマハ YZ250F)(右)

ヒート2では水野が好スタートを決めトップに立つが、1周目で名島が前に出る。2人のトップ争いは激しく繰り広げられ、両者横並びの接戦となるが、名島が前を譲らず、徐々に差を広げていく。一方、水野には3番手を走る福田が近づき、抜きつ抜かれつの攻防戦が展開される。福田が懸命に攻めるも、水野は巧みなブロックで前を譲らない。最後まで続いたバトルは、水野が守り切ってチェッカーを受けた。結果は1位名島、2位水野、3位福田。両ヒートを制した名島が見事総合優勝を獲得した。

#58名島玖龍
「今年出場してきた関東選手権では他のライダーと競ることがあまりなかったので、今回久しぶりにバトルをして緊張しました。特にヒート1は競ってるライダーと接触しそうになるほど接近して、ひやひやしましたね。でも周回を重ねるごとに緊張もほぐれて、後半にかけて後ろのライダーとの差も広げることができたので、力を抜いてリラックスして走ることができました。総合優勝できて嬉しいです」

ジュニアクロス(JX)

永澤が序盤から差をつけて圧勝

#66永澤匠真(GASGAS MC85)

ジュニアクロスは10分+1周で行われた。ヒート1、好スタートを決めた#66永澤匠真(GASGAS MC85)がトップに浮上すると、#42川上真花(bLU cRU YSP大阪箕面/ヤマハ YZ85LW)、#8外間匠(T.E.SPORT Jr./ホンダ CRF150R2)、#41木村優希(TeamPowerBand/カワサキKX85)、#25伊良皆龍翔(MXbuildベストRacin/GASGAS MC85)が追いかけていく。しかし、永澤は序盤で一気に他のライダーを引き離し、独走状態へ。一方、2番手以降は僅差であったが、3周目に木村と外間がポジションダウン。2位につける川上を伊良皆が追いかける展開となった。伊良皆は徐々に川上に迫ると、レース中盤で川上をかわしポジションを奪取。その後トップ3の差は開き、1位永澤、2位伊良皆、3位川上という順位でレースを終えた。

#8外間匠(T.E.SPORT Jr./ホンダ CRF150R2)

 

#42川上真花(bLU cRU YSP大阪箕面/ヤマハ YZ85LW)

ヒート2も永澤がホールショットを獲得。続いて伊良皆と川上が追いかける。2番手を走行していた伊良皆だが、序盤で転倒してしまい14番手にまでポジションを落としてしまう。これにより川上が2番手、外間が3番手に浮上。川上がリードを広げ、そのままの順位でゴールするかと思われたが、ラストラップに転倒。その隙に外間が2番手に上がりフィニッシュを果たした。結果は、2位に14秒もの差をつけ圧倒的な速さを見せた永澤が優勝を獲得。2位に外間、3位に川上が入賞し、永澤が総合優勝を果たした。

#66永澤匠真
「オフロードヴィレッジは乗り慣れているので、緊張せず余裕を持って走ることができました。今日は特にコーナーが上手くいって、ジャンプも他のセクションも全体的にスムーズに乗れました。スタートから前に出れて、ずっとトップで走り切ることができてよかったです」

IAエキシビション

接近戦を制した小笠原が総合優勝を獲得

今回はIAライダーが参加するエキシビションレースが行われた。IA1ライダーとIA2ライダー全3名が出場。全日本の舞台で戦うライダーたちの走りに注目が集まった。

#20⼩笠原⼤貴(YSP横浜南/ヤマハ YZ250F)(左)/ #100大石一斗(REALRIDE/ホンダ CRF450R)

ヒート1、スタートから1コーナーにかけては全員横並びの混戦となったが、そこを#20⼩笠原⼤貴(YSP横浜南/ヤマハ YZ250F)が抜け出し、#37根岸瑞⽣(T.E.SPORT/ホンダ CRF250R)、#100大石一斗(REALRIDE/ホンダ CRF450R)が追いかける。大石が序盤で根岸をかわすと、その勢いのまま小笠原との距離を縮め、ダートフリークジャンプで横並びになってパス。トップに立った大石が後方との差を広げ、各ライダーの間隔が開いてきたレース中盤、小笠原が粘り強い走りで大石との差を一気に縮めてロックオン。大石もポジションを守る走りを見せたが、転倒を喫し小笠原が再びトップに返り咲く展開となった。大石はすぐに復帰し、レース終盤で再び小笠原に接近。最後まで攻めた大石だったが、小笠原が逃げ切り優勝を飾った。

#100大石一斗(REALRIDE/ホンダ CRF450R)

 

#20⼩笠原⼤貴(YSP横浜南/ヤマハ YZ250F)

ヒート2は大石がスタートで前に出ると、そのままレースをリードしていく。小笠原と根岸が続くが、3人の間隔は開いた状態でレースが進行する。動きがあったのは中盤、小笠原が大石との距離を徐々に詰め、トップ争いを展開する。攻防戦が繰り広げられる中、大石が転倒し、小笠原がトップに浮上。大石はすぐに復帰するも、その直後に2度目の転倒。身体を打ち付けたことで再スタートすることができず、そのままリタイアとなった。レース後半は小笠原がトップを独走。結果1位小笠原、2位根岸という順でチェッカーを受けた。

キッズ65(K65)

岡野がトップを快走、石橋と前原が健闘

#110岡野煌己(ヤマハ YZ65)

65ccで競い合うキッズ65クラス。レースは10分+1周で行われた。ヒート1、スタートで反応の良さを見せた#110岡野煌己(ヤマハ YZ65)がホールショットを奪い、そのままトップを走行。続いて#86前原歩叶(レーシングチーム鷹/ヤマハ YZ65)、#717石橋叶翔(ハスクバーナモーターサイクルズ TC65)が追いかける展開となった。クラス内で1分40秒台を切っている岡野に対し、前原も序盤から39秒台を記録し食らいつく。しかしレース後半、岡野がさらにペースを上げて前原を引き離し、1位岡野、2位前原、3位石橋でフィニッシュを果たした。

#717石橋叶翔(ハスクバーナモーターサイクルズ TC65)

 

#86前原歩叶(レーシングチーム鷹/ヤマハ YZ65)

ヒート2もスタートから岡野が前に出ると、石橋と前原がついていく。序盤で岡野はリードを拡大する一方、後方では石橋と前原が2番手争いを繰り広げる。石橋に迫る前原だが、レース中盤に転倒。これにより#8大久保英飛(YSP浜北大橋FLEXMOTO/ヤマハYZ65)が3番手に浮上した。しかしすぐに復帰した前原と#365高城零(S.A.Y Racing/ヤマハYZ65)が迫り、3人で3位争いを展開。誰が前に出るのか、お互いに攻め続ける3人だが、大久保と高城がミスにより後退。結果、岡野、石橋、前原という順位でゴール。岡野が圧倒的な速さを見せつけた。

チャイルドクロス(CX)

大橋と片山が各クラスで圧倒的強さを示す

排気量50cc以下のマシンで競い合うチャイルドクロスは、国産車の4ストロークエンジンバイクで走るAクラスと、外国メーカー車両の2ストロークエンジン車両に加え、いくつかの許可された電動モトクロッサーを駆るBクラスの混走で行われる。

#36大橋有真(ザ ライジングサンコーヒー/GASGAS MC-E5)

 

#96片山太郎(スズキ DR-Z50)

ヒート1、スタートで前に出たのはBクラスの#59廣野康輝(KTM東海レーシング/KTM SX-E5)と#36大橋有真(ザ ライジングサンコーヒー/GASGAS MC-E5)。廣野が一歩リードしたが、大橋がすぐに逆転しトップに浮上する。その勢いのまま独走状態へと持ち込み、大橋、廣野という順番でレースを終えた。一方、Aクラスは#96片山太郎(スズキ DR-Z50)が序盤からトップを走行。その後方から#20飯島寧人(S.Y.Racing+LHN/スズキ DR-Z50)と#23松本有生(T.E.SPORT Jr. /ホンダ CRF50F)が追いかける。松本は飯島に迫るが、飯島が逃げ切りフィニッシュ。1位片山、2位飯島、3位松本でゴールを果たした。

#96片山太郎(スズキ DR-Z50)

 

#36大橋有真(ザ ライジングサンコーヒー/GASGAS MC-E5)

ヒート2は大橋がスタートからトップに立ち、廣野が追いかける。大橋はクラス内で唯一1分17秒台を記録。他のライダーと6秒以上差をつけるラップタイムでリードを広げ、そのまま優勝を果たした。一方、Aクラスは序盤から飯島が先頭に立ち、片山が追いかける展開。片山はすぐに飯島との距離を詰め、トップに浮上する。周回を重ねるごとにそれぞれの間隔は開き、そのままの順位でフィニッシュ。1位片山、2位飯島、3位には松本が入賞を果たした。

地区対抗戦を制したのは「関東」

各地区のライダーが集まるMFJモトクロス全国大会は地区対抗戦の側面もあり、レース結果から最優秀地区が決定される。対象クラスはナショナル/ノービス/ジュニアクロスの3つ。各地区の代表選手が上記3クラスで獲得した最高順位をそのままポイントとして取り扱う。

地区対抗戦を制した関東地区の選手達

今回は、北海道/東北/関東/中部/近畿/四国のライダーが集まった。各地方のライダーが接戦を繰り広げたが、全ての対象クラスで関東地区のライダーが優勝を獲得。関東地区が圧倒的強さを見せ、地区対抗戦を制した。

なお、MFJモトクロス全国大会(HSR九州)は11月17日(日)にも開催される。関西・九州地方のライダーが多くエントリーしているため、今回とはまた違うバトルが繰り広げられるだろう。