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INFORMATION 梅雨の合間のドライレースは、各クラスで激戦に!【2024全日本スーパーモト選手権レポート】

2024全日本スーパーモト選手権第3戦レポート
2024年6月30日(日)
茂原ツインサーキット・イーストコース(千葉県)

梅雨の合間のドライレースは、各クラスで激戦に!
今季の全日本スーパーモト選手権シリーズは、昨年よりも1戦増えて全7戦のスケジュール。前戦から6週間のインターバルを挟み、第3戦が千葉県の茂原ツインサーキットで6月30日(日)に開催された。
千葉県房総半島にある茂原ツインサーキットは、その名のとおり、クルマの走行にも対応したイーストコース(ロング)と、カートやミニバイクのためにレイアウトされたウエストコース(ショート)から成る。今大会は昨年までと同じく、このうち全長約1.2kmと距離が長くコース幅も広いイーストコースをベースに、ダートセクションの追加やターマック区間の一部低速レイアウト化などを施した特設コースが用いられた。
天候は曇りで、路面はドライコンディション。ただし、前日午前中までの降雨による影響で、本来は1コーナーの先など3ヵ所に設けられる予定だったダートセクションのうち、第3セクションの使用は見送られた。

日浦大治朗が予選と決勝を完全制覇!
全日本最高峰となるS1プロクラスは、全員が4スト450ccマシンを駆り、予選が15分間のタイムアタック方式、決勝は12周の2レース制で競われた。12台が出走した予選では、昨年度王者の日浦大治朗(#1)が56秒806のトップタイムをマーク。前戦をロードレース参戦のため欠場した長谷川修大(#4)が57秒234で予選2位、前戦でランキングトップに浮上した小原堅斗(#2)が57秒353で予選3位、S1プロクラスルーキーの佐藤瑞城(#20)が57秒542で予選4位となり、ここまでが決勝レース1のフロントローに並んだ。予選5位は57秒916を記録した川島颯太(#3)、予選6位は58秒210の金子和之(#5)。予選7位となった増田浩志(#12)から同9位の新沼伸介(#10)までが59秒台となった。

決勝レース1では、ポールポジションスタートの日浦が順当にホールショット。長谷川を抜いて小原が2番手に浮上し、佐藤と金子と川島が続いた。川島はすぐに金子を抜き返し、オープニングラップは日浦、小原、長谷川、佐藤、川島、金子のオーダー。2周目以降、スタートで順位を上げた新沼を先頭とした7番手以下は遅れ、トップ6がほぼ固まった。レース序盤、トップの日浦を僅差で小原が追い、この2台から約1秒遅れて長谷川が3番手。さらに2秒ほど間隔を開けて、佐藤と川島と金子が僅差の4番手争いを繰り広げた。4周目、日浦と小原の距離はさらに近づき、3番手の長谷川は約2秒遅れに。その2秒後方では、佐藤をパスして川島が4番手に浮上し、佐藤の背後には金子が迫った。

5周目、再び日浦は1秒ほどのリードを確保。レースが後半に入ると、日浦と小原のギャップは1秒ほどのままほぼ変化がなく、トップ争いは膠着状態となった。3番手の長谷川はこの2台からやや遅れて、約3秒差の3番手。その背後には川島が徐々に近づき、8周目には両者の間隔が約1秒となった。またこの周、川島から5秒ほど遅れた5番手争いでは、金子が佐藤の逆転に成功した。レース終盤、トップの日浦に対して小原は約1.5秒離れていたが、ラスト2周となった11周目にやや近づくと、最終ラップにはさらにその差を削り、コース後半ではテール・トゥ・ノーズになった。しかし日浦が最後まで逆転のチャンスを与えず、そのまま逃げ切って優勝。小原が2位となった。レース終盤に川島をやや離した長谷川が3位、川島が4位。佐藤からややリードを奪った金子が5位、佐藤が6位となった。

決勝レース2は、レース1のゴール順位でスターティンググリッドへ。ポールポジションの日浦がホールショットを奪い、これに2番グリッドからスタートした小原が続いた。3番手には、川島と長谷川を抜いて金子がジャンプアップ。1周目は日浦、小原、金子、長谷川、川島がトップ5で、新沼を先頭とする6番手以下はすでに3秒ほど遅れ、6番手スタートの佐藤は9番手に沈んだ。2周目、トップ5は早くも6~7秒のリードを奪い、金子と長谷川と川島が僅差の3番手争い。3周目、コースを低速化するためコースに置かれたタイヤバリアに膝をヒットした長谷川が転倒し、最後尾となった。これによりトップグループは、日浦を約1秒差で小原が追い、2秒ほど離れて金子、1秒ほど遅れて川島の順となり、新沼を先頭に増田や佐藤が続いた5番手争いの集団は、ここから10秒ほど遅れた。

レース中盤、トップの日浦は2番手の小原を2秒ほど先行。小原から4~5秒離されながら、金子と川島が僅差の3番手争いを繰り広げた。また、このトップ4とは完全に別グループとなった5番手争いの集団では、4周目に佐藤が増田を抜き、新沼、佐藤、増田、広瀬彰信(#21)、佐々木啓之(#13)、内山瑛須(#18)まで6台による大接戦となった。7周目、佐藤がこの集団の先頭に。翌周以降、佐藤は後続を引き離していった。8周目、接近戦が続いていた3番手争いでは、川島が金子をパス。このバトルで金子がコースアウトして4秒ほど遅れた。レース終盤、小原が日浦との距離を詰め、ラストラップとなった12周目には完全に接近。しかし最後まで日浦がトップを守り、勝利を収めた。小原が2位、金子との約4秒差を最後まで守った川島が3位となった。金子は、コース復帰時の違反によりゴールタイムに15秒が加算されたが、順位は変わらず4位。終盤は単独走行となった佐藤が5位でフィニッシュした。6位争いは、迫る増田を約0.4秒差で抑えて新沼が制した。

●日浦大治朗(レース1・優勝/レース2・優勝)
「前回のレース2は転倒リタイアになってしまったので、今大会は転ばず走り切るというのがまずは目標。決勝では、どちらのレースも12周を安定して周回できたので、非常に満足しています。いずれのレースも、後続と一定の距離を保てることが確認できてからは、とくに落ち着いて走れたと思います。最終ラップには意外と近くまで詰められ、焦る気持ちがなかったわけではありませんが、そこまでに築いたリードを確実に活かすことができました。次の第4戦は鈴鹿8時間耐久ロードレースの前週に開催されますが、スーパーモトの選手権も大切にしているし、当然ながらチャンピオンも狙っているので、もちろん参戦します。次戦の会場は名阪スポーツランドで、ロングダートが特徴。ここで勝ってこそ、スーパーモトライダーとしての実力を示せると思うので、ライバルたちには『激しい接触はやめてね』とお願いしつつも、勝利を目指します」

●小原堅斗(レース1・2位/レース2・2位)
「今回の茂原ツインサーキットは、元からダートが短めで、なおかつテクニカルな要素が多く、あまり得意なコースではありません。ダートセクションを設けてくれた主催者に感謝していますが、雨の影響で第3ダートがなくなってしまったことで、より自分にとっては不利な状況。そのためレース前は、日浦大治朗選手や長谷川修大選手についていくことができるか、ちょっと不安でした。とはいえマシンの仕上がりも順調で、決勝では自分のペースも良かったので、どちらのレースも日浦選手を僅差で追い続けることができました。日浦選手はレース終盤にも速さを発揮できるライダーなので、序盤勝負と思いましたが、仕掛けてもパッシングには至らず、逆に離される要因になってしまいました。次戦はダートが長くて得意なコース。2レース優勝で今回の負け分を取り返したいと思います」

決勝は2レースとも、日浦大治朗(#1)を僅差で小原堅斗(#2)が追う展開。中盤までに築いた最大で2秒程度のリードを有効に使った日浦が、2レース制覇を達成した

 

ダート区間を得意とする小原堅斗(#2)は、2レースともに僅差で日浦大治朗(#1)を追ったが、わずかに届かず2レースとも2位

 

レース1は長谷川修大(#4)に一歩及ばず4位も、レース2は金子和之(#5)をパスして3位となった川島颯太(#3)

 

表彰式は2レース総合成績で実施。写真中央が優勝の日浦大治朗(#1)、同左が2位の小原堅斗(#2)、同右が3位の川島颯太(#3)

 

両レースで激戦のトップ争いを演じた岡田駿介が総合優勝
29台がエントリー、28台が出走したS1オープンクラスは、15分間のタイムアタック予選と、10周の決勝2レースを実施。決勝出走台数は25台のため、予選落ちが発生する状況となった。その予選では、今大会はS2クラスとのダブルエントリーとなった佐藤祐季(#46)が、59秒016のトップタイムをマーク。原島剛(#5)が59秒287で予選2位、岡田駿介(#30)がトップ2に迫る59秒342で予選3位となった。また高山直人(#23)が予選4位、千葉智(#10)が予選5位、富田真司(#48)が予選6位に。以下に野田龍樹(#13)、田淵智之(#17)、高部充陽(#7)、梅田祥太朗(#6)、勝谷仁(#40)が続き、高山から勝谷まで8台が1分00秒台という大混戦となった。ただし高山は、決勝出場をキャンセル。これにより、千葉までが決勝レース1のフロントロースタートとなり、戸田道夫(#47)が繰り上がりで予選通過となった。

迎えた決勝レース1は、3番手スタートの岡田がホールショット。これに佐藤と原島が続いた。オープニングラップは岡田、佐藤、原島、富田、野田がトップ5。2秒ほど間隔を開けて、高部を先頭とするセカンドグループとなった。2周目、第1ダートで富田が転倒。背後にいた野田も遅れ、これで岡田と佐藤と原島のトップグループ、約4秒遅れて高部、さらに2秒ほど間隔を開けて千葉を先頭とする5番手争いの集団となった。3周目には、トップ3台と高部のギャップがさらに拡大。岡田と佐藤と原島による三つ巴のトップ争いは、4周目になってさらなる接近戦となった。5周目には、高部が完全に後続の接近を許し、高部、千葉、野田、梅田、田淵、予選12位だった水野彰久(#8)、勝谷までの7台がワンパックとなった。

レースが後半に入った6周目、トップ争いはさらなる激戦となり、翌周にはついに佐藤がトップに浮上。しかし抜かれた岡田も、離されることなく佐藤を僅差でマークした。この2台を追っていた3番手の原島は、バックマーカーの影響もあり9周目には3秒ほど遅れ、これで優勝争いは佐藤と岡田のマッチレースに。ラストラップとなった10周目、岡田は佐藤に肉迫した。しかし最後は佐藤が0.539秒差で逃げ切って優勝。岡田が2位、原島が3位となった。ここから最終的には20秒ほど遅れた7台の争いでは、8周目に高部を抜いた千葉が約0.6秒差で逃げ切って4位。高部が5位、野田が6位、梅田が7位、田淵が8位、9周目に水野をパスした勝谷が9位、水野が10位で、この7台が約2.8秒差で連なってゴールした。

決勝レース1のゴール順でグリッドに並んでスタートしたレース2は、ポールポジションの佐藤がホールショット。これに岡田と原島が続き、4番手スタートの千葉は出遅れ、野田と高部と梅田と田淵が先行した。1周目、野田までのトップ4が高部を約2秒離し、高部も後続の梅田と田淵を2秒ほど離した。2周目になると、4番手の野田がトップグループから2秒ほど遅れ、佐藤と岡田と原島のトップ争いに。しかし3周目に佐藤が転倒し、この影響で後続が遅れ、野田が一気にトップまで浮上した。そしてこの周は野田、岡田、原島、高部、佐藤、梅田、田淵のオーダー。4周目、野田と岡田が僅差のトップ争いを繰り広げ、これを約1.5秒差で原島が追い、さらに2秒ほど後方では佐藤が高部を抜いた。

5周目には、トップ2台に原島が接近し、トップグループは3台に。4番手の佐藤は、原島から4秒ほど遅れた。レースが後半に入ると、佐藤を僅差で追っていた高部が徐々に遅れ、その背後には6番手の梅田が少しずつ接近。その後方には田淵と富田が続いたが、富田は7周目に転倒して大きく後退した。レース終盤、野田と岡田と原島のトップ争いは激しさを増し、野田に岡田が肉迫。ラストラップを迎えるところで、岡田がトップに立った。最終ラップとなった10周目には、岡田が後続を少し離し、これで逃げ切った岡田が優勝し、原島を僅差で抑えた野田が2位。原島は3番手でゴールしたが、ジャンプスタートによりゴールタイムに15秒が加算されたため7位となり、レースではトップ3に近づくことができなかった佐藤が3位となった。高部が後続を抑えて4位、梅田が5位、田淵が6位に入賞している。

S2クラスとダブルエントリーした佐藤祐季(#46)は、転倒でレース2の勝利を逃したが、レース1はバトルに競り勝って優勝

 

レース1は惜しくも佐藤祐季(#46)に敗れて2位となったが、レース2は野田龍樹(#13)を逆転して優勝を獲得した岡田駿介(#30)

 

レース2は混乱の中でトップに立って終盤までポジションを守り、最後に岡田駿介(#30)の先行を許すも2位となった野田龍樹(#13)

 

2レース総合成績では、レース1とレース2ともに激しい優勝争いを演じ、レース2で勝利を収めた写真中央の岡田駿介(#30)がトップとなった

 

レース1は土橋亮一、レース2は佐藤祐季が勝利
わずか4台により競われることになったS2クラスも、予選は15分間のタイムアタック方式で、決勝は10周の2レース制。その予選では、2スト125ccマシンを駆る藤田友貴(#6)が、8周目に1分00秒608のトップタイムをマークして走行終了。宮本拓実(#22)が最後までアタックして逆転を狙ったが、1分01秒314で届かず、藤田が決勝レース1のポールポジションスタート、宮本が予選2位となった。同3位には1分01秒314で佐藤祐季(#23)、同4位には1分01秒890で土橋亮一(#8)。トップから4位までは1秒282差という接戦となった。

参加ライダー全員がフロントローに並んでスタートした決勝レース1は、ポールポジションスタートの藤田が順当にホールショット。宮本が遅れ、佐藤と土橋が先行した。1周目は、トップの藤田を佐藤が僅差で追い、約2秒離れて土橋と宮本の3番手争い。2周目、接近戦のトップ争いと3番手争いは継続され、2番手の佐藤と3番手の土橋は約3秒にギャップが拡大した。3周目、宮本は3番手の土橋からやや遅れ、逆に佐藤はトップの藤田に肉迫。4周目に入ったところで、佐藤が藤田のパッシングに成功した。

しかしこの周の中盤、再逆転を狙った藤田が佐藤に追突して両者転倒。これで土橋がトップ、約1秒差で宮本が2番手、3秒ほど離れて再スタートした藤田が3番手、僅差で佐藤が4番手となった。5周目、佐藤は藤田をパスして3番手浮上。6周目にはトップの土橋から4番手の藤田までがそれぞれ1~2秒差になると、ここから佐藤が宮本との距離を詰めていった。そして8周目から、宮本と佐藤がドッグファイトを展開。9周目をクリアする直前、佐藤が先行した。迎えたラストラップの10周目、佐藤はトップの土橋に迫ったが、0.187秒差で土橋が逃げ切って優勝。佐藤が2位、宮本が3位、終盤はやや遅れた藤田が4位となった。

レース1のゴール順でスターティンググリッドに並んだレース2は、ポールポジションの土橋がホールショット。宮本を抜いて佐藤が2番手に浮上すると、1周目の前半で一気にトップへ浮上した。さらに、4番手スタートの藤田もまずは宮本をパスすると、佐藤に続いて土橋を抜き2番手に。1周目は佐藤、藤田、土橋、宮本のオーダーとなったが、オープニングラップだけでトップの佐藤は約3秒のリードを獲得した。レース前半、トップの佐藤と2番手の藤田は、3秒前後でややギャップを増減させながら、大きく離れることも近づくこともなく周回。一方、3番手の土橋は2番手の藤田から少しずつ離され、4周目にはその差が約3秒となった。

レースが後半に入ると、トップの佐藤は2番手の藤田を少しずつ引き離し、終盤には約5秒のアドバンテージを確保。2番手を守る藤田と、宮本を引き連れながら3番手を走行する土橋のギャップは、3秒程度になってからは拡大が止まった。そしてレースは10周でチェッカー。危なげなく逃げ切った佐藤が優勝、藤田が2位となった。3位争いはラストラップまで続いたが、土橋が最後まで順位を守り、土橋が3位、宮本が4位となった。これによりシリーズランキングでは、シーズン4勝目を挙げた佐藤が藤田を逆転してトップに立った。

レース1では、佐藤祐季(#23)と藤田友貴(#6)の転倒でトップに立ち、最後は僅差で佐藤を抑えて勝利した土橋亮一(#8)

 

レース1では、佐藤祐季(#23)と藤田友貴(#6)が接近戦を繰り広げて佐藤がトップに立ったが、直後に両者が接触して転倒

 

レース2では1周目とレース中盤にリードを拡大して、最後は独走で今季4度目のトップチェッカーを受けた佐藤祐季(#23)

 

2レースの総合成績による表彰式では、レース1で2位、レース2で優勝した佐藤祐季(#23)が表彰台の頂点に立った

 

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