全日本ロードレース選手権も、シリーズ7戦目を大分県・オートポリスで迎えた。今回を含め残り2戦となり、いよいよ2019年シーズンも大詰め。JSB1000クラスは、5月の第3戦SUGO以来の2レース制となっており、土曜日に予選・レース1が行われた。 前週に行われた公式テストから好タイムを刻んでいた中須賀克行を中心にレースウイークは、進んで行くかと思われたが、初日となった金曜日は、雨上がりですべりやすくなっていた路面の影響もあり、中須賀は4番手に沈んでいた。かわってトップタイムをマークしたのは、後半戦に入って調子を上げている水野涼だった。高橋巧もタイムを縮め2番手とHonda勢が1-2を占めていた。この時点で中須賀は、路面コンディションが回復しなければ厳しくなる、と語っていたが、土曜日は、コンディションがよくなってきていた。公式予選で中須賀は、自身の持つコースレコードを更新する速さを見せる。これは、2番手の高橋を約1秒も引き離す驚異的なものだった。セカンドタイムもトップとなり、両レースでポールポジションを獲得する。チームメイトであり、前戦岡山ラウンドで優勝した野左根も3番手につけヤマハ勢が巻き返してくる。 決勝が始まるとフロントロウの3台は好スタートを切り中須賀がホールショットを奪うが、1つギアを落とし損ねてしまったため加速が鈍り、野左根が前に出て行く。後方では水野が3番手で1コーナーに入り、立ち上がりで高橋がクロスラインを取り前に出て行くが、その直後の3コーナーへのブレーキングでインを取った水野が抜き返す。オープニングラップは、野左根が制し、中須賀、水野、高橋、岩戸亮介、渡辺一馬、加賀山就臣、渡辺一樹、秋吉耕佑、前田恵助と続いていた。トップを走る野左根は、1分48秒台中盤でラップを重ねレースをリード。このペースを見た中須賀は、予想以上の好ペースのため2番手をキープし、勝負するチャンスを待つ。その後方につける水野は、中須賀のすきを伺うが、前に出ることができないでいた。レース序盤、トップグループは、野左根を先頭に中須賀、水野、高橋、渡辺一馬、岩戸が形成。徐々に渡辺一馬が遅れ、トップグループは4台に絞られてくる。 レースも折り返しを過ぎると、水野のペースが上がらなくなってくる。これを見た高橋は、13周目の第2ヘアピンで水野をかわして3番手にポジションを上げ、ヤマハの2台を追う。トップ争いが動いたのは17周目だった。野左根をピタリとマークしてきた中須賀は、1コーナーで前に出るとラストスパートに入る。このペースに野左根も対応し、中須賀について行くが、高橋は、ここで遅れ始め、トップ争いはヤマハ同士の一騎打ちとなる。何とか仕掛けたい野左根だったが、中須賀はすきを与えず、そのままチェッカー。今シーズン4勝目を地元・九州でマークした。野左根は、最終ラップにファステストラップを出す意地を見せたが惜しくも2位。3位に高橋が入ったことで、高橋が202ポイント、中須賀が186ポイントとなり、両者の差は、16ポイント。残り3レースで、タイトル争いも、どう展開されるか注目したいところだ。 水野は4位、渡辺一馬が5位、6位に渡辺一樹、7位に岩戸、8位に秋吉、9位に加賀山、10位に濱原颯道と続くトップ10となった。 レース2も、中須賀を中心に野左根、高橋、水野の4台がトップ争いを繰り広げそうだ。カワサキのホームコースで巻き返したい渡辺一馬も、トップ争いに加わりたいところ。 日曜日も、いい天気に恵まれそうなオートポリス。さわやかな秋晴れの下で繰り広げられる激戦を楽しんで欲しい。20周で争われるJSB1000クラスのレース2は、14時25分にスタート予定!