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序盤からあぶなげなく圧勝。
野崎は自身6勝目を挙げた。

勝利は逃すも小川を押さえて2位
ランキングトップを守った黒山

小川友幸は波に乗れずに3位
本調子ではない苦しい戦い

国際A級スーパークラス

2018全日本トライアル選手権シリーズ第3戦九州大会

2018年全日本選手権、第3戦は例年通り九州大会。昨年から会場となっている玖珠トライアルヒルズは、さらに多くの開拓作業が行なわれていた。会場レイアウトがより自由度が増しており、雨が降ると滑る山道を往復する観客路は変わらないながらも、セクションの配置が工夫され、見やすさ、歩きやすさはだいぶ改善されていた。それでも森の奥のセクション群へたどり着くには、ちょっとした山岳ハイキングの心得が必要だ。

セクション群が始まる第1セクションと第10セクションの横には、コンビニエンスストアのローソンが移動販売車を用意したのを始め、各種売店車も出て、観戦者の和み空間ともなっていた。

天気予報では雨予報だったが、雨の降り出しは若干遅れて、雨に降られたのはIASのトップグループとSS、表彰式のみ。その他のクラスは雨が降るのを見越して早いペースで試合が進み、お昼前には多くのライダーがゴールを済ませていた。

■国際A級スーパークラス

17名が登録されているこのクラス、今回、平田雅裕が前戦近畿大会での負傷で欠場、成田亮の欠場とともに、15名での参加となった。

序盤、好調だったのは野崎史高(ヤマハ)、柴田暁(ヴェルティゴ)、小川毅士(ベータ)。この3人は、第4セクションまでをクリーン。全日本ランキングのトップを占める黒山健一(ヤマハ)と小川友幸(ホンダ)はといえば、黒山が第1セクションを失敗、小川(友)は第2、第3と1点ずつを失い、序盤から若手を追う展開となった。

勝負どころのひとつとなったのは第5セクション。ここは、昨年SSで使われた沢で、IASのゲートはさらに難度が高められている。ここで黒山、小川(友)、柴田、小川(毅)をはじめ、ことごとく5点。こんな中、野崎が見事なクリーンを見せる。第5までのすべてをクリーンしたのは、もちろん野崎だけだ。

この後、野崎は第7セクション、第9セクションで痛恨の5点を喫するも、前半の貯金があり、1ラップ目のトップは堅持。2位には2点差で柴田、さらに柴田に1点差で黒山、その黒山に1点差で小川(友)と、トップ争いは大接戦。トップの野崎から5位の小川(毅)までの5人が7点の中におさまっている。

2ラップ目、野崎の好調は変わらない。2ラップ目は雨に濡れながらのトライとなったが、第4までをクリーンして、第5も2点で通過した。第5までのスコアを見ると、黒山が第2、第3で1点ずつで2点、小川(友)が6点、柴田が8点、小川(毅)が12点と、1ラップ目の接戦と一転、点差が広がってきた。雨の影響もありそうだ。

この時点では、黒山にも小川(友)にも、まだ勝機はあった。しかし黒山は第6セクション以降で減点を重ね、小川(友)も追い上げるほどには減点をまとめられない。第6以降の減点は、黒山が13点、小川(友)が8点。その一方で野崎は、第6以降をたった3点で走り抜けて見せた。雨でコンディションが悪くなっても、あんまりいやだという意識がない、という野崎は、トップを走りながら崩れ去った近畿大会の雪辱を晴らすべく、2ラップ目のゴールに飛び込んだ。野崎の減点は2ラップトータルで18点、黒山は30点、小川(友)は31点だから、圧勝といっていい。そしてこの時点で、SSを待たずに野崎の全日本選手権6勝目が確定的となった。

SSでは、黒山と小川(友)の1点差の2位争いと、柴田と小川(毅)の4点差の4位争い、藤原慎也(ガスガス)、野本佳章(ベータ)、吉良祐哉(TRRS)、久岡孝二(ヤマハ)による6位争いに逆転の可能性があった。

滑る岩場を抜け、伐採した斜面を一気に上まで上がる今回のSS。滑る岩場とふかふかの斜面のコントラストが見物だ。最初に走破したのは久岡。続く吉良が斜面入り口で5点となったあと、野本が足をつきながらするすると登っていく。これがプレッシャーとなったか、藤原が登り斜面で失速5点。藤原と野本はこれで同点となった。

4位争いは小川(毅)が1点で抜け、続く柴田が登りきれずに5点。こちらも両者は同点となり、勝負は最終SSに持ち越された。

そして2位争い。小川(友)はなんと、入口の岩へのアプローチで失敗して5点。これで楽になった黒山は、少々強引ながら3点で登りきり、その点差を3点とし、最終SSで5点にならなければ2位は確実となった。

最後のトライとなった野崎は、5点となっても優勝は変わらない。勝負のプレッシャーもなく、自信たっぷりにトライ。このセクション、初めてのクリーンは、野崎だった。この日の好調ぶりを象徴するようなライディングだった。

そして最終SS。SS1の谷向こうの斜面に設営されたSS第2は、途中のふたつの岩がポイント。そのどちらも、ずるずるに滑るポイントから登らなければいけない。斎藤晶夫(ホンダ)が5点の後、久岡、吉良、野本と3点が続く。藤原が3点ならクリーン数差で藤原が6位、5点なら野本が逆転で6位という戦況で、藤原がしっかりトライ。見事、ここを1点のみで走り抜けた。藤原は、初めての6位入賞だ。

4位争いを優位にした小川(毅)は、ここをクリーンして柴田にプレッシャーを与えたいところ。しかし出口手前の二つ目の岩で失敗。5点となって万事休す。このあと、柴田はこの岩を1回の足つきで確実に走り抜け、4位争いに終止符を打った。近畿大会に続き、2戦続けて柴田が4位、小川(毅)が5位となった。

3戦を終わって、3人の勝利者。そしてランキングポイントは、黒山が54、小川(友)が52、そして野崎が50と、なかなか僅差の争いとなっている。ただし次戦北海道大会は黒山が世界選手権に参戦するため欠場が決まっている。


【野崎史高のコメント】

調子はよかったんですが、1ラップ目の第7セクションで5点を取ってしまって、またここから崩れちゃうかなぁと思ったんですが、なんとかこらえてよかったです。自分的に鬼門かなぁと思っていたのが第6のダム型だったんですが、2回とも抜けられました。それと、最後の第9、ここを抜けないと勝負は逃げるなと思ったんですが、クリーンができたんで、よかったです。今日は自分に自信を持って走れました。雨はきらいじゃないので、最後まで楽しく走れました。次は小川さんが得意な北海道ですか、がんばります。

【黒山健一のコメント】

前半だいぶミスをしてしまって、優勝争いから遠のいてしまったのですが、きっちり2位に入れてよかったです。途中から、1位の野崎選手とは点差が開いてしまったので、上を見るより下との点差をしっかりとろうと思って走りました。今日はバランスが悪くて、ひとえにぼくの心の弱さが出てしまった戦いでした。

【小川友幸のコメント】

調子は悪くなかったと思うのですが、だめでした。5点が多すぎましたね。次、世界選手権をはさんで、北海道まで時間がありますから、しっかり体勢を整えなおして、北海道ではしっかり自分の走りができるように準備したいと思います。


1点差の僅差の勝負を制する。
永久保恭平、シーズン初勝利。
左から、2位地元の徳丸新伍、
優勝永久保恭平、3位武井誠也

国際A級

雨が予想され、セクションはやややさしめに設定しなおされたが、IAスタートの頃には雨はまだ本格的に降り始めず、ライダーは雨が降る前にゴールしようと、いつになく早いペースで試合が進んだ。

しかしそれでも、減点を少なくまとめたのは早いペースの中でもじっくりトライをした実力者たち。1ラップ目にただ一人7点の一桁減点でトップとなったのは武井誠也(ホンダ)だった。2位は12点の永久保恭平(ベータ)。5点のリードはなかなかの大差に思えた。

2ラップ目、九州は宮崎の徳丸新伍が追い上げた。徳丸は1ラップ目に永久保と1点差の13点だったから、武井の減点次第では勝利のチャンスもある。武井は2ラップ目、3個の5点を喫して1ラップ目のアドバンテージを失いつつあった。

こうして雨が降る前に試合が終了したIA。トップは2ラップ目に徳丸と同じく11点をマークした永久保。1点差で徳丸、さらに1点差で武井という表彰台の顔ぶれとなった。

ランキング争いは、永久保が武井を7点リードしてトップに立っている。

【永久保恭平のコメント】

調子はぼちぼちだったのですが、1日を通じて、崩れずに走れたのがよかったです。武井くんが調子がいいというのは聞いていたので、今日は勝てないなぁと思っていたんですが、終わってみると僅差で勝ててよかったです。これでランキング争い的にもポイントをけっこう離せたんで、この調子でいければと思うんですが、なかなかそうは甘くないので、これからもがんばりたいと思います。

 


1ラップ目の2点は驚異的だった
西村亜弥はトータル9点で勝利

左から2位小玉絵里加、優勝の
西村亜弥、3位寺田智恵子

 

国際B級

勝利はまず十中八九まちがいないが、戦いの内容にこだわる西村亜弥(ベータ)。今回は本人もびっくりの好スコアがマークされた。1ラップ目、西村の減点はたったの2点、それも第8セクションでの1点はがまんができたという減点で、これはオールクリーンもできるかと期待を集めた。

しかし2ラップ目、これがプレッシャーとなったか、西村は2点を3回、1点を1回の減点で7点。トータル9点は立派なスコアだが、1ラップ目が素晴らしかっただけに、西村としてはちょっとくやしいリザルトとなった。

ただし勝負としては、2位の小玉絵里加(ホンダ)は減点43点。西村に追いつこうとがんばる小玉だが、西村も成長を続けている。

今回は出場3名。3位寺田智恵子(スコルパ)は、去年の同じ会場での戦いと比較して、自身の上達に満足を示していた。

【西村亜弥のコメント】

今日は割と調子がよくて、特に1ラップ目は私もびっくりのいいできでした。それが逆に2ラップ目にプレッシャーになったのか、2ラップ目はちょっとミスがあって、もうちょっとだったなぁと思います。第7の1点はしかたがなかったかなという気もしますが、オールクリーンが狙えないこともなかったので、その点はちょっと残念。でも2ラップ目も一桁減点だったので、今回はまずまずだったと思います。

 

しっかり集中したという和気は
全日本初優勝となった

左から、2位宮澤陽斗、優勝の
和気聖司、沖縄の冨名腰慶亮

 



IAに増してペースが早かったのがこのIBクラス。沢のセクションは走りごたえがあったが、それでも1ラップ10点台で回ってくる選手が多かった。

5点なしの最小減点で1ラップ目を回ってきたのが和気聖司(ガスガス)。2位に3点差。こういった減点の少ない試合では、3点差は大差でもあり僅差でもある。2ラップ目、和気は5点一つ、3点ふたつをとって、一気に減点を増やしてしまった。それでも2ラップ目の和気は15点。1ラップ目と合わせて和気の減点は24点となった。

勝負は1点を争うシビアなものとなった。1位から4位までの点差はたったの2点。結局、若い宮澤陽斗(ベータ)を1点差で振り切って、和気が全日本選手権初勝利を得た。沖縄から遠征の冨名腰慶亮(ホンダ)が宮澤に1点差で3位表彰台を獲得。

今回の結果、ランキングトップは和気となったが、冨名腰も和気と同点の40点で並んでいる。ランキング争いが早くも熾烈になってきている。

【和気聖司のコメント】

今日はよく集中できていました。1ラップ目が自分的にもよかったのでいけるかなとは思ったのですが、2ラップ目に5点を取ってしまったので、結果は最後までわからず、結果、僅差で勝ててよかったです。いつも2ラップ目が悪くなるんですが、1ラップ目の貯金で勝てました。こういう泥々のコンディションはきらいではないので、近畿大会に続いていい走りができたかなと思っています。今回は初優勝なんで、自分でもびっくりしてます。この調子で今シーズンは戦っていきたいと思います。