今年も三重県・鈴鹿サーキットで最終戦を迎えた全日本ロードレース選手権。2018年は、全クラスのチャンピオンが、この最終決戦で決まることになる。 JSB1000クラスは、今シーズン2レース制が増えたが、いずれも土曜日にレース1、日曜日にレース2が行われるスケジュールだったが、最終戦は例年通り、2レースとも日曜日に行われる。レース1は超スプリントの10周、レース2は戦略が必要な20周となる。 今シーズンは、ここまで中須賀克行が8を挙げる圧倒的な強さを見せており221という大量ポイントを積み上げており、ランキングでも大幅にリードしている。2番手には、178ポイントの高橋巧がつけ、43ポイントもの大差がついている。仮にレース1で高橋巧が優勝したとしても、11位以上で中須賀がゴールすれば2年振り8回目のシリーズチャンピオンが決まる。中須賀が普通にレースを走り切って12位以下になることは、ほとんど考えられないだけにレース1で決まる可能性が限りなく高いと言えるだろう。当の中須賀、本人も下位で決める気は、全くなく勝って決める気満々だ。公式予選では、セッション開始早々に自身の持つコースレコードを更新する2分04秒517をマーク。セカンドタイムも2分04秒582と、ほぼ変わらないタイムを記録しダブルポールポジションを獲得した。セッション終盤では、3周続けて2分04秒台で走り、10周のレース1でも2分04秒台に入れて来るかと尋ねると「2分04秒台は無理ですけれど、2分05秒台で周回できると思います。コースレコードも更新できましたし、バイクも本人もいい状態でレースに臨めると思います。今年は、スタートがうまく行っていないので、焦らずに状況を見ながら自分のペースで走れば結果はついてくると思っています」とコメント。両レースとも中須賀が主導権を握りそうだ。 両レース2番手につけたのが高橋巧だ。自己ベストを更新する2分04秒945をマークし、着実な前進を見せている。 「2分04秒台で(中須賀選手に)走られるとタイヤにも厳しいので、10周とは言えタイヤマネジメントが必要になって来ますが、2分05秒台なら何とかなると思います。いずれにせよレース1の結果がレース2を左右することになるでしょう」と高橋巧。 YAMAHAとHondaのエースが2分04秒台を記録し、自己ベストを更新した野左根航汰が2分05秒台で両レースとも3番手につけた。 「初日の転倒から、あまりいい流れではなく2分06秒をなかなか切れないでいましたが、予選では、2分05秒台に入れることができました。前の2人の2分04秒台に比べると霞んでしまいますが、2分05秒台後半なら何とか食らいついて行きたいところです。最終戦をいい結果で終わりたいですね」と野左根。 渡辺一馬も自己ベストを更新しレース1は5番手、レース2は4番手とセカンドロウからスタートする。 「もう少しタイムを縮めておきたかったと言うのが本音ですが、まだ詰めるポイントがあるので、決勝日朝のウォームアップで試してレースに臨みたいですね。マシンも自分もよくなってきているのでレースの流れを変えるような走りをしたいと思っています」と渡辺。昨年もMFJ-GPではトップを走っただけに、その再現と行きたいところだろう。 スズキ勢では、スポット参戦のブラッドリー・レイがトップとなる2分05秒台をマークし、渡辺一樹、津田拓也、加賀山就臣が2分06秒台で続き、その後方には、ハルク・プロの水野涼、モリワキの高橋裕紀、清成龍一が2分07秒台で続いた。 レースは、中須賀がどんなペースで走るかによってトップグループの台数が決まって来そうだ。昨年のように渡辺一馬が前に出てペースを抑えればスズキ勢も加わる集団になる可能性もある。高橋巧が前に出ればペースを上げて台数を絞りたいところだろう。タイヤマネジメントも重要なファクターになってくるのは間違いない。いずれにせよ一番のアベレージを持つ中須賀が、どう動くかに注目が集まるところだ。