木曜日から始まったシリーズ最終戦 第50回 MFJグランプリ スーパーバイクレース in 鈴鹿。土曜日まで快晴に恵まれ、今シーズン8勝をマークしタイトルに王手をかけている中須賀克行がセッションをリード。公式予選では、自身の持つコースレコードを更新し死角は、ないかと思われた。 しかし、日曜日は朝から雨模様となり、このレースウイーク初めてウエットコンディションで朝のウォームアップ走行が行われ、その流れが変わってくる。ここでトップタイムをマークしたのが高橋巧。タイムは2分17秒411。中須賀は、2分17秒806で2番手につけ、モリワキの清成龍一と高橋裕紀が続いていた。 ウエットコンディションの中、レース1は、予定通り10周で行われた。好スタートを切ったのは、2番手グリッドの高橋巧。そのイン側に6番手グリッドスタートの渡辺一樹が入って行くが、立ち上がりでクロスし、高橋巧が前に出て行く。野左根航汰も渡辺一樹の前に出て2番手、渡辺一樹が3番手、ブラッドリー・レイが4番手、渡辺一馬が5番手と続いて行く。ポールポジションの中須賀は、やや出遅れるが、S字コーナー進入で5番手に上がると、逆バンクでは、渡辺一馬をかわして4番手、ヘアピンで渡辺一樹をかわして3番手に上がる。高橋巧がオープニングラップから積極的にリードし、野左根、中須賀のヤマハファクトリー勢が続く。以下、渡辺一樹、加賀山就臣、渡辺一馬、高橋裕紀、津田一磨、水野涼、中冨伸一と続き2周目に入って行く。 早いうちに高橋巧を追いたい中須賀は、野左根のテールに迫ると、2周目のシケインで前に出て2番手に浮上する。高橋巧の追撃態勢に入った中須賀だが、高橋巧は、さらにペースを上げ、2分16秒台で周回。中須賀が2分17秒台を切れない中、5周目には、このレースのファステストラップとなる2分16秒258をマークし、その座を確固たるものとして行く。後方では、高橋裕紀が5番手に、渡辺一馬が6番手に浮上し、それぞれ単独走行となる。 10周のウエットレースは、高橋巧が制し、今シーズン初優勝。Team HRCとしても念願の勝利を飾った。中須賀は、2位に入り、レース1で2年振り8度目のシリーズチャンピオンを決めた。3位には、渡辺一樹の追い上げを抑えきった野左根が入り、5位に高橋裕紀、6位に渡辺一馬、7位に加賀山、8位に水野、9位に津田、10位に清成龍一と続いた。 レース2は、雨は止んでいたが路面はウエット。周回数はウエット宣言が出されたことにより2周減算の18周で争われた。 またも好スタートを切ったのは高橋巧。ホールショットを奪いブラッドリー・レイ、野左根、渡辺一馬、中須賀、加賀山、秋吉耕佑、水野、清成、中冨、生形秀之と続いていた。S字コーナーで野左根がブラッドリーを、中須賀が渡辺一馬をかわし、それぞれポジションを上げる。レース1に続き、レース2でも高橋巧がオープニングラップからペースを上げ、2番手以下を引き離して行き、野左根、中須賀が追う同じ展開になるかと思われた。 しかし、驚異的なペースで周回するマシンがあった。モリワキの清成だった。スタート直後の1コーナーを9番手でクリアした清成は、オープニングラップで6番手に上がると2周目には、秋吉、渡辺一馬、野左根をかわして3番手に上がってくる。3周目には、完全にトップグループに追いつくと、4周目のS字コーナー進入で中須賀を、逆バンクからダンロップコーナーで高橋巧をかわしトップに浮上する。ウエットタイヤを履く高橋巧と中須賀に対し、清成は、インターミディエートをチョイスしており異次元の速さで一気に独走体制を築いて行く。清成のチームメイトの高橋裕紀もインターミディエートをチョイスしていたが、序盤にペースを上げられずにいたものの、5周目には、12番手から一気に7番手まで上がると、8周目には6番手、10周目には5番手、そして11周目には4番手に上がって来る。さらに同じくピレリのインターミディエートを履いている星野知也も激しい追い上げを見せ、ヤマハファクトリーの野左根をかわし5番手まで上がって来ていた。 そんな中、トップを独走する清成は、17周目にファステストラップをマークするなど、最後まで攻めの走りを見せトップでチェッカーフラッグを受けた。2位に中須賀、3位に高橋巧、4位に高橋裕紀、5位に星野、6位に野左根、7位に秋吉、8位に渡辺一馬、9位にブラッドリー、10位に日浦大治朗、11位に山口辰也、12位に加賀山、13位に津田拓也、14位に水野、15位に生形と続いた。
【レース1】スタート
【レース1】高橋巧
【レース1】2018チャンピオン中須賀克行