今年も前田恵助がポイントリーダーで迎えた最終戦。暫定ポイント2番手の國峰啄磨との差は7ポイント。國峰が優勝しても前田は、4位以内に入れば初タイトル獲得できる状況だった。予選では、その前田がホームコースの鈴鹿で3年連続のポールポジション。「勝って決めたいがタイトル獲得が最優先」と予選後に語っていた。 スタートを決めた前田は、ホールショットを奪い、亀井雄大、國峰啄磨、岡本裕生、清末尚樹、南本宗一郎、名越哲平と続く。オープニングラップのスプーンカーブ進入では、國峰が亀井をかわし2番手に浮上。バックストレートでは、岡本も亀井をかわしポジションを上げてくる。オープニングラップは、前田が制し、國峰、岡本、亀井、清末、名越、南本、奥田教介、星野知也、田所準と続く。2周目のスプーンカーブ進入では、岡本が國峰をかわし2番手に浮上。さらに前田のテールをマークする岡本は、3周目のホームストレートから1コーナーでトップに浮上する。抜き返したい前田だったが、4周目の1コーナーで國峰にかわされ、5周目のヘアピンでは亀井にもかわされ4番手にポジションを落としてしまう。その後方では、名越が南本をかわし5番手に浮上するが、トップグループには、離されてしまっていた。 トップを走る岡本は、4周目に、このレースのファステストラップをマーク。コンスタントに2分13秒台で周回を重ね2番手以下を射程に入らせない。一時は、4番手となっていた前田は、このポジションでもタイトル決定だったが、6周目の1コーナーで亀井をかわし3番手に上がると、7周目のバックストレートで國峰をかわし2番手に浮上。トップを行く岡本を追うが、なかなか、その差は縮まらない。國峰も再び仕掛けたいところだが、逆に前田にジリジリと離されてしまう。背後には亀井が迫っていたが、ラストラップのダンロップコーナーで亀井が転倒。悔しいリタイアとなってしまう。 トップを走る岡本は、前田を寄せ付けずトップでチェッカー。今シーズン2勝目を挙げた。前田は、2位でゴールし悲願のチャンピオンを獲得。國峰は、3位で最終戦を終えた。以下、名越、南本、星野、奥田、清末、田所、名越公助と続くトップ10となった。
2位・シリーズチャンピオン/#5 前田 恵助 伊藤RACING・GMDスズカ 『スタートは、うまく決まったので、いつものパターンで逃げたかったのですが緊張からかガチガチに力が入っていました。岡本選手に抜かれ、我を取り戻し、國峰選手に抜かれて焦り、亀井選手に抜かれてからは、転けなければいいと開き直ることができました。そこから追い上げましたが、勝つには少し遅かったですね。ホームコースの鈴鹿で勝つことができなかったのは悔しいですが、冷静に走ってチャンピオンを獲ることができたので、よかったです。これもチームを始め、ヤマハ、関係者の皆さん、応援してくださっている皆さんのおかげです。ありがとうございました』