4クラスでただ一人、タイトル獲得に王手をかけて第8戦岡山ラウンドを迎えた水野涼。暫定ランキング2番手の関口太郎に29ポイント差をつけており、勝てば文句なしでチャンピオン決定となる。事前テストから常にトップタイムを出しており、公式予選では、1分30秒750を出してコースレコードを更新し、ポールポジションを獲得していた。一方、関口も予選で1分30秒889をマークし、意地を見せる。3番手の石塚健も1分31秒091、4番手の岩蕪N朗も1分31秒167をマークし、トップ4がコースレコードを上回った。 日曜日も雲がやや多いものの過ごしやすい一日となった。ホールショットを奪ったのは、好スタートを見せた関口。石塚、水野、岩戸亮介、生形秀之、岩普A榎戸育寛、作本輝介と続いて2コーナーをクリアして行く。オープニングラップのバックストレートからヘアピンへのブレーキングでは、水野が一気に2台を抜いてトップに浮上。そのままレースをリードし、2番手以下を引き離して行く。2周目のヘアピンでは、岩戸が石塚かわし3番手に浮上すると関口の背後につける。水野のチャンピオン決定を阻止するためにも前に出たい関口だったが、逆に3周目のヘアピンで岩戸にかわされてしまう。この時点で水野は、2番手に約1秒の差をつけ独走態勢を築くかと思われた。2番手争いは、岩戸、関口、石塚、生形、作本の5台が形成。4周目のダブルヘアピン一つ目立ち上がりでは、関口がハイサイドしかけ石塚が3番手に浮上。事前テストから好調の石塚は、5周目のヘアピンで2番手に上がるとペースを上げて行く。関口もここで3番手に上がり、石塚と共にファステストラップを塗り替えながら水野に迫って行く。このペースに岩戸、生形、作本はついていけない。開幕戦筑波の事前テストで負傷し、今回が復帰戦となった作本は、生形、岩戸をかわし4番手に浮上し、石塚と関口に迫って行く勢いだったが、8周目のヘアピンで転倒。すぐに再スタートするものの順位を落としてしまう。 石塚と関口は、ハイペースで水野に迫ると10周目に関口がこのレースのファステストラップとなる1分30秒914をマーク。12周目にはトップ3は完全に一つのグループになっていた。14周目のアトウッドカーブでは、バックマーカーが絡み、やや水野の立ち上がり加速が鈍ったところを見逃さなかった石塚がバックストレートからヘアピンで前に出て行き、今回のレースで初めてトップに立つ。しかし、続く15周目の1コーナーで石塚がはらんでしまい、水野がトップの座を奪い返す。石塚も水野のテールをピタリとマークすると、16周目のバックストレートからヘアピンで前に出ると再びペースを上げる。残り3周を切り、水野をジリジリと引き離す勢いだった石塚だったが、17周目のダブルヘアピン進入で痛恨の転倒。再スタートできず、そのままリタイアとなってしまう。これでトップに立った水野が関口を抑えきり、今シーズン5勝目を挙げ、最終戦を待たずにシリーズチャンピオンを獲得した。関口は、またも2位。3位には、単独走行となっていた生形が入った。以下、榎戸、岩戸、岩普A柴田陸樹と続き、転倒から再スタートした作本は、8位まで追い上げてフィニッシュした。