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'16全日本スーパーモト選手権 第2戦 ↑'16スケジュール
2016年10月30日(日) HSR九州ドリームコース(熊本)
5月に開催予定だったHSR九州ラウンドは熊本・大分地震による被災の為、10月30日に延期され第2戦として開催された。
地震発生から約半年が経過するが、施設や周辺のところどころに震災の爪痕が残っており、被災の大きさと復興への道のりが険しいことを実感した大会となった。
当初使用する予定だったサーキットコースは被災による施設改修が完了していない為、同施設内のドリームコースで行われた。
このドリームコースは、フラットな敷地内にストレートとタイトターンを組み合わせたターマックセクションに阿蘇特有の黒土がベースのダートセクションは
非常にスリッピーで、本格的なジャンプやバンクを備えたテクニカルなコースとなっている。
天候は快晴。日中は半そでで過ごせるくらいの日差しが照りつける中、多くのスーパーモトファンが
訪れ熱戦を見守った。
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H1独走で優勝し年間タイトル 奪取。安定した走りの森田一輝
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地元の走り慣れたコースに自信 仲間の前で表彰台登壇 川上祥史
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ラッキーだけではないチャンスを 確実に手に入れ総合優勝 城取諒
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6名が出場した国内最高峰S1PROクラス。決勝グリッドを決めるタイムアタック形式の予選ではシリーズチャンピオンに王手が
かかっている森田一輝(#2)が55秒186のトップタイムをマークしポールポジション獲得、0.312秒差の2番手には森田の
チャンピオン決定をなんとしても阻止したい新井誠(#4)、3番手に地元でこのコースを知り尽くしている川上祥史(#21)、
4番手城取諒の順でフロントローが決まった。
迎えた決勝ヒート1の周回数は15周回。スタートでホールショットを決めたのは、4番手グリッドから飛び出した
城取。大外から一気にまくりホールショットを奪取すると、森田、新井、川上らが続いた。
2周目、1コーナーで新井が転倒し最下位へ後退。その後も新井はミスを連発しマシンと体にダメージを負い、ピットインを
余儀なくされ、大きく遅れをとってしまう。
スタートで飛び出しトップを行く城取に森田がぴったりとマークしテールツーノーズの接近戦となる。
3周目、森田が得意のダートセクションで城取をパスしトップを奪い返した。
しかし城取は簡単に勝たせまいと、森田に懸命に食い下がり追走を続けた。
トップから少し離れた3番手には川上が地元の意地を魅せ走行を続けるが、6周目に転倒を喫してしまい後退。代わって
3番に浮上してきた金児が今季初表彰台へ向け単独走行を続けた。
レースは後半に入りトップ2が3番手以降を大きく引き離しながらハイペースでの優勝争いが続いた。
逃げるトップの森田へ必死に追いかける城取だが、その差はなかなか縮まらない。
3番手争いは金児に、川上が転倒から復帰し徐々に近づいてきたが、大きく広がってしまった差を
埋めるにはなかなか難しい状況になってきた。
レースは最後まで安定した走りを魅せた森田がトップを守り切り優勝。2番手には最後まで粘るも追撃及ばず城取、
3番手にポジションを守り切った金児が今季初表彰台を獲得した。
また、このレース結果により、最終戦を待たずして森田一輝の年間チャンピオンが決定した。
決勝ヒート2も周回数は15周回。スタート進行時、日章旗が上がりスタート開始直前に新井が飛び出してしまいフライング。
新井のミスに左右のグリッドにいた森田、川上らはその瞬間赤旗再スタートになるかもしれないと考えたのか、
一瞬スタートダッシュに出遅れてしまう。
しかしそこで冷静にスタートを切ったのが4番手グリッドの城取だ。ヒート1同様、アウトからまくり一気にトップに躍り出る。
城取、川上、新井、森田の順で1周目のコントロールラインを通過するが、その際新井に対してフライングスタートのペナルティ
であるストップボードが掲示され、ピットインを促された。しかし直後の1コーナーで新井は転倒を喫し、マシンと身体に
ダメージを受けただけでなく、ピットストップペナルティも受けなければならず、このレースでも新井は非常に厳しい状況に
なってしまった。
2周目、スタートで出遅れ4番手を走行していた森田が転倒。5番手に後退してしまう。
トップ争いは、トップを快走する城取に2番手の川上がベストタイムを更新しながら食らいつくが、なかなかその差は縮まらない。
トップ2台から少し離れた3番手には金児に対し4番手の森田が徐々にその差を詰めていった。
レースは終盤に入りトップを行く城取が川上との差を少しづつ広げはじめ、初優勝へ向け快走を続けた。
迎えたラストラップ。3番手を走行していた金児がまさかの転倒を喫し後退。代わって3番手に浮上してきたのが粘りの
走りで上がってきた森田。
結果、城取が逃げ切ってトップでチェッカーを受けS1PROクラス初優勝、初総合優勝を獲得。2番手は川上が今季初表彰台を獲得、
3番手に森田が表彰台に辿り着いた。
■総合優勝コメント:#9 城取 諒
ヒート2でフライングしたライダーに動揺していたライダーがいたのに気づいていましたので、冷静にスタートを切れて
トップスタートを切れたのがラッキーだったと思います。また、レース展開も他のライダーが離れていき、
自分のペースでレースできたのが勝因だと思います。先日ベルギーで開催された「Superbiker Mettet」に参戦してきて
多くの刺激を受けてきて、走りも気持ちも大きく変わったのが大きいかもしれません。
今、S1PROクラスは若手のライダーが少ないので、新井選手と共に若手のライダーが全日本スーパーモトを引っ張っていける
存在になりたいと思います。
■2016年間チャンピオンコメント:#2 森田 一輝
こうしてヒート1で優勝してチャンピオンを決めることができて嬉しいです。
シリーズチャンピオンを目指してずっと頑張ってきましたが、シーズンを通して
遠征し、結果を残すことがどれだけ大変かよくわかりました。
そして、スーパーモトを続けてきたことで、チームが成長し仲間が増えてきました。
こうしてシリーズ全戦を転戦できるのも、チームや応援してくださる方々のおかげです
本当に感謝しています。残りのレースも全て勝つ勢いで戦っていきたいと思います。
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12台が出走し予選ヒートレースグリッド順を決めるタイムアタック。トップタイムは58秒659をマークした佐藤 友之(#13)、
0.013秒差の2番手に坂本 明則(#45)、トップと0.118秒差の3番手森田 直樹(#8)、4番手吾妻 裕人(#9)の順で、予選ヒートレース
のフロントローとなった。
レース形式での予選ヒートは7周回。スタートはポールポジションの佐藤がホールショットを奪うとレースを支配。
2位争いは森田、坂本、川留ら3台による接近戦となったが、5周目にタイムアタック2番手の坂本が転倒し大きくポジションダウン。
トップを行く佐藤は2位以下をじりじりと引き離し快走を続ける。2位争いは2番手の森田に川留がなんとか食い下がろうとするが
なかなか差が縮まらない。レースは佐藤が逃げ切り決勝ポールポジションを獲得。2番手森田、3番手川留、4番手ベンバサット
ミッキーでのフロントローとなった。
迎えた決勝レースは12周回。スタートでホールショットを決めたのは2番手グリッドの森田。それに佐藤、松下、川留らが
続いたが、川留は直後のコーナーで転倒し最後尾からのスタートとなった。
1周目のコントロールラインを森田、佐藤、松下、ミッキー、石崎、増田の順で通過。
トップを行く森田は第3戦エビスラウンド以来勝ち星に恵まれておらず、また第7戦、第8戦とノーポイントに終わっており
何としてもここで結果を残しS1PROクラス昇格の年間ランキング3位へ食い込みたい一心でレースを続けた。
しかし2番手の佐藤も結果次第では昇格のチャンスが残っているので負けるわけにはいかなかった。
逃げる森田にぴったりとマークし追いかけプレッシャーを与え続ける佐藤とのバトルが前半続いた。
そしてレースが動いたのは6周目。
後半のダートセクションでトップの森田が痛恨のミスを喫し後退、代わって佐藤がトップに浮上。
2番手には地元熊本の松下がトップから数秒離れて単独走行。3位争いはミッキー、吾妻、増田、坂本ら4台による
テーツーノーズの激しいバトルが繰り広げられ、終盤になるとミッキーが抜け出し単独3番手、吾妻、増田、坂本らによる
ポジション争いはラストラップまで続いた。
レースは佐藤が2位と5秒以上離す快走を魅せトップでチェッカー、今季初優勝を挙げた。2番手は松下、3番手ベンバサット
ミッキー、4番手吾妻、5番手増田の順となった。
■優勝コメント:#13 佐藤 友之
今シーズン、申し訳ない結果をいろいろと出していましたが、ようやく表彰台の一番高いところに立てて嬉しいです。
ここに立てたことをチーム関係者の皆様、そして応援してくださっている方々に感謝したいと思います。ありがとうございます。
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ターマック巧者がダート修行 結果に繋がり今季3勝目 富田真司
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ランキング1位維持で安堵 タイトル奪取へ意欲 富田真司
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12台が出走し予選ヒートレースグリッド順を決めるタイムアタック。トップタイムは58秒809をマークした富田 真司(#38)、
0.371秒差の2番手に佐々木 啓之(#8)、トップと0.490秒差の3番手三井 正勝(#6)、4番手納富 桂(#16)の順で、予選ヒートレース
のフロントローとなった。
7周回で行われた予選ヒートレース。2番手グリッドからスタートの佐々木がホールショットを決め1周目の
コントロールラインをトップが通過するが、2周目に富田がダートセクションで仕掛けトップに立つ。
トップを行く富田と佐々木の2台が3番手の三井以下を大きく引き離していく。トップの富田は後半スパートをかけ
佐々木を引き離し、6秒近い差をつけてトップチェッカー。決勝ポールポジションを獲得。2番手は佐々木、3番手には
三井、4番手には納富の順でフロントローを並べた。
迎えた決勝周回数は12周回。スタートでホールショットを奪ったのは予選ヒート同様佐々木だった。
佐々木がトップ、続いて富田、三井、平、納富、松井の順で1周目のコントロールラインを通過。
前戦優勝している佐々木は連勝を狙ってトップを死守すべくレースを続けるが、2番手の富田が1周目から激しく佐々木を
プッシュし続けた。そして3周目、ダートセクションの連続コーナーで思い切ってインへ切れ込んだ富田が
一気に佐々木をパスしトップを奪取。富田が昨年までモトクロスで鍛えたテクニックが発揮された瞬間だった。
トップを行く富田は2番手の佐々木との差を徐々に広げ、独走態勢を築いていく。3番手争いは、3番手の三井と
地元熊本の平との接近戦での攻防が続く。その後方の5番手争いは納富、松井、堀田ら3台によるサイドバイサイドの
バトルがラストラップまで続いた。
レースはトップを行く富田が2位以下を大きく引き離しトップでチェッカー。今季3勝目を挙げた。2番手には佐々木、
3番手はラストラップに平の猛チャージを振り切った三井、4番手には平、5番手には納富という結果となった。
■優勝コメント:#38 富田 真司
正直、ほっとしています。ダートが難しいコースだったのですが、数年間モトクロスで修行してきたので
非常にスリッピーなダートを攻略することができたのが勝因かなと思います。現在ポイントリーダーなので
次戦、最終戦で年間チャンピオンを優勝して決めたいところですが、ライバルのポイントを考えると安全策でいきたい反面、
お世話になったチームの為に勝利でチャンピオン獲得を魅せたいところもあります。なので、どのような作戦でいくか
最終戦までに決めようと思います。
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