ランキングトップ高橋裕紀、15ポイント差で生形秀之、18ポイント差で浦本修充の3人にチャンピオン争いは絞られて迎えた最終戦。決勝日の天気予報は午後から一時雨。西から雨雲が近づく中、14:15に決勝レースはスタートした。
ホールショットは高橋が奪い、3列目からスタートダッシュを決めた長尾健吾が何と2番手にジャンプアップ、岩田悟、星野知也、生形、井筒仁康と続く。ヘアピンで生形が3番手に浮上。ここで西コースから雨が落ちてきたとの一報。スプーンカーブで井筒が転倒、大木宗行、山内宏之も転倒したため赤旗中断。その直後、大粒の雨が落ちてきてコース上はみるみるうちに川ができるほどのヘビーウエットとなって行く。雨足がさらに強まったためサイティングラップ開始時間が何度かディレイされ、周回数を10周に短縮して決勝レースは行われることになった。
赤旗中断中にピットへ戻ってきた井筒はサイティングラップ中にピットへ戻りピットスタートとなったが、ケガもあったためウォーミングアップランでピットに戻りリタイアを選択した。
そして予定より約48分遅れでJ-GP2クラス決勝レースがスタート! ホールショットは、またも高橋が奪い、生形、岩田、星野、渡辺一馬、今シーズン限りで引退表明した亀谷長純が6番手で第1コーナーに進入。その後、ダンロップコーナーで亀谷が渡辺をかわし5番手に浮上する。星野も岩田をかわし3番手、スプーンカーブで浦本が渡辺をかわして6番手に浮上するなどスタート直後から目まぐるしく順位を入れ換えて行く。オープニングラップは高橋が制し、生形、星野、岩田、亀谷、渡辺、浦本、武田雄一、長尾、デチャ・クライサーと続く。
このレースウイーク、ウエットで速さを見せていた星野は、雨が降ることを臨んでいた。その通りのコンディションとなったが、予選とは違うタイヤをチョイスしたため、そのフィーリングの違いに戸惑っていた。それでも3番手につけ健闘していたのだが、2周目の最終コーナーでハイサイド転倒を喫してしまい戦線を離脱してしまう。かわって3番手に上がった岩田もマシンに問題を抱えていた。その症状がひどくなってきたため3周にスローダウンし、リタイアを決断したのだった。これで亀谷が3番手に浮上、その背後にはチームメイトの浦本が迫ってくる。6周目のヘアピンでついに亀谷をとらえて浦本が3番手に浮上する。
レースは早くも終盤となり、7周目はトップの高橋が2分24秒480、生形は2分24秒440と、わずかに生形が速かったが、マシンが振られた際に激痛が走りコースにとどまっていることが精一杯の状況となってしまう。実は、決勝日朝のウォームアップ走行で最終コーナーで転倒した際に肋骨を痛めていたからだ。そんな生形を尻目に高橋はラストスパートに入ると、9周目にファステストラップとなる2分23秒499をたたき出して、ファイナルラップに突入、そのままトップでゴールし、今シーズン4勝目を挙げてシリーズチャンピオンを獲得した。満身創痍の生形が意地の2位、3位には浦本が入った。現役最後のレースとなった亀谷は4位でフィニッシュ。5位に渡辺、6位にデチャ、8位に長尾、9位に武田、10位に大木のトップ10となった。 |