J-GP3クラスが2レース制の変則スケジュールで開催された全日本ロードレース第3戦ツインリンクもてぎ。土曜日にレース1予選・決勝とレース2予選が行われた。まずはレース1の公式予選でポー ルポジションを獲得したのは、ゼッケン1をつける山田誓己だった。このレースウイークは好天に恵まれ、夏の到来を思わせる気候となった。気温27℃、路面温度32℃のコンディションの中でレース1がスタート。
ホールショットは山田誓己が奪うが大久保光がピタリと背後につく。予選4番手の水野涼がいいスタートを切り鳥羽海渡をかわして3番手で第1コーナーに進入する。水野はその勢いで5コーナー進入で大久保をパス、2番手浮上するも大久保がS字コーナーで2番手を奪い返す。ダウンヒルストレートでは鳥羽が水野をかわし、オープニングラップから抜きつ抜かれつのバトルを展開、エキサイティングなレースを予感させた。5番手、古市右京、6番手には予選13番手からジャンプアップした岡田義治、7番手、徳留真紀のオーダーで続き5番手争いも激しさを増した。徳留が4周目の5コーナーで一気に5番手に浮上、しかし再び古市、岡田が抜き返す。その間に先頭集団と5番手集団の差が開き始め、4周目には1.3 秒にまで広がる。
先頭集団にも動きが出てくる。山田と鳥羽がやや抜け出し、大久保、水野が接近戦を展開する。そこに岡田が先頭集団に追いついてきた。レース折り返しを迎える8周目には完全に5台の団子状態となる。大久保が2分01秒283のタイムの自己ベストタイムで追い上げた周の90度コーナーでミス、その間に水野が前に出る。しかし大久保は諦めない。9周目のS字コーナーで一気に水野、岡田をかわして3番手浮上、ダウンヒルストレートでスリップストリームから抜け出した岡田が前に出るも、90度コーナーで大久保が抜き返す。
3番手争いがし烈になっている間にトップ2台が再び抜け出し、10周目には1.6秒の差を開く。しかし11周終了後の第1コーナーで山田が痛恨のオーバーラン。難なく鳥羽がトップに浮上する。しかし、ここでスイッチが入ったか、山田が怒濤の追い上げをかける。2分00秒690,のファステストラップをたたき出してダウンヒルストレートで鳥羽をパスし再びトップに立つ。山田と鳥羽はテール to ノーズのバトルを2分01秒台で展開し、3番手以下を大きく引き離す。
迎えたファイナルラップ。山田、鳥羽が0.1秒差、7.9秒空いて岡田、大久保、水野の順にコントロールラインを通過する。5コーナーで鳥羽が山田をパスしてトップに立つ、しかし、V字コーナーで鳥羽が失速、その間に山田が前に出る。ダウンヒルストレートではスリップを嫌った山田が左から右へコース幅いっぱいに使って逃げるが90度コーナーで鳥羽がインを刺してトップに浮上! そのままチェッカーを受け逆転で見事2戦連続優勝を飾った。山田は悔しい2位。激しい3位争いは、90度コーナーで一気に水野が前に出て初表彰台を獲得した。4位に健闘した岡田、5位に大久保と続き、以下、徳留、関野海斗、作本輝介、古市、小室旭のトップ10であった。 |