FIMトライアル世界選手権第3戦日本グランプリが6月2〜3日に栃木県・ツインリンクもてぎで開催された。
初日となった6月2日は好天に恵まれ、気温も25度以上を記録する夏日となり、5000人を超える観衆が訪れた。
今年のセクションは、もてぎのハローウッズを中心に15セクションが設定されている。もてぎの自然豊かな森の中を中心としたセクション配置で、非常にコンパクトにまとめられ観戦しやすいのが特徴だ。
ワールドクラスでは、やはり今季絶好調のトニー・ボウが今回も好調さをキープ。晴れて路面グリップが上がりセクション難易度が下がったこともあってか、第1セクションからクリーンの山を築いていく。ボウは1ラップ目の14セクションまでをオールクリーンで回り、最後の15セクションで減点1となるものの、1ラップ目の減点はこの1点のみ。この時点で、2番手にアルベルト・カベスタニーに対し10ポイントのリードと圧倒的な強さを見せる。
2ラップ目に入ってもボウの好調さは変わらず、再びクリーンの山を築いていく。周囲が減点を重ねていく中、ボウのみがセクションを攻略。第10セクションでこの日初めて減点5となるものの、2ラップ目はこの失敗のみ。トータルでも減点6で優勝した。
2位争いは、1ラップ目2位だったカベスタニーが2ラップ目序盤でマシントラブルを抱え、修復する場面も見られた。マシン修復後は快調な走りを見せていたカベスタニーだったが、第10セクションで失敗し5点となる。この2ラップ目に好調だったのが1ラップ目に3位につけていたジェロニ・ファハルド。ファハルドはこの2ラップ目を減点6で周り、トータル減点19でカベスタニーより先にフィニッシュする。カベスタニーは最終セクションを迎えた時点でファハルドに2ポイント差をつけた2位。しかし、最終セクションは1ラップ目にも最後の滝登りで失敗し5点となっている。2位キープを期して臨んだ最終アタックだったが、ここでも最後の滝を登り切れず失敗。これによりファハルドが逆転で2位、カベスタニーは3位となった。
会場でもっとも多くの声援を集めた藤波貴久は1ラップ目の第4、第5セクションで連続して減点5となったこともあり、カベスタニーと6ポイント差の4位に終わった。
全日本勢では黒山健一が好調で7位フィニッシュとなっている。
ジュニアではポル・タレスが2ポイント差で優勝。ユースではスティーブン・コクランが優勝を飾っている。
トニー・ボウ
「今日は自分でもいい走りができたと思う。1ラップ目は減点1で回れたし、2ラップ目ではセクション10で減点5となってしまったので、明日は気をつけたい。セクションも今日は簡単だったが、明日は雨も降る予報で、雨となったらどう変化するかわからない。」
ジェロニ・ファハルド
「自分のライディングをすることに全力を尽くしていた。セクションは10と15が難しかったとおもう。最後までどうなるのかわからなかったが、2位になれたことは良かったと思う。」
アルベルト・カベスタニー
「2ポイント差で最終セクションまで来たが、2位をキープすることは難しかった。最後のセクション15はとても難しく、ラインもよく考えて臨んだが失敗してしまった。」
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最終ラップ、最終セクションでの逆転で2位となったジェロニ・ファハルド |
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最後の最後で2位の座を逃したものの3位となったアルベルト・カベスタニー |
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藤波は序盤の減点もあり4位。DAY2での巻き返しが期待される |
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全日本勢トップは黒山健一。トップ6入りも見えている |
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ワールド表彰式。左から2位のファハルド、優勝したボウ、3位のカベスタニー |
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ジュニア表彰式。左から2位のフランチェスク・モレ、優勝したポル・タレス、3位のアレキサンドレ・フェラー |
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ユース表彰式。左から2位のスベレ・ルンデボル、優勝したスティーブン・コクラン、3位のブラドレイ・コックス |
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