|
|
|
|
|
2012全日本トライアル選手権シリーズ第2戦近畿大会
開幕戦関東大会に続いて、第2戦近畿大会も、2年ぶりの開催となる。去年は東日本大震災の影響で、開催を見送っていたからだ。去年は兵庫県猪名川サーキットでの開催が予定されていたが、今年は会場を新たに奈良県の名阪スポーツランドに移しての開催となった。新規開拓したセクションが当日の悪天候に見舞われ、どんなコンディションとなるかが勝負の行方も左右しそうだ。
黒山健一(ヤマハ)、小川毅士(ベータ)、小川友幸(ホンダ)、野崎史高(ヤマハ)。この4人のトップ争いは、例年になくおもしろい。小川毅士が、その実力を実戦でも発揮できるように進化してきたからだ。
序盤、リードをとったのは黒山と小川友幸。野崎と小川毅士は5点が多く、ふたりのトップ争いからは離されてしまった。
2ラップ目、黒山が安定して難所を克服していくのに対し、小川友幸にミスが目立った。もともとふかふかの砂地で、誰も走ったことがない会場だ。コンディションの変化はむずかしい。この機に、一気に小川友幸に詰め寄ったのが小川毅士。開幕戦関東大会の再来とばかり、2位の座をもぎとっていった。
2ラップ目を終えて、黒山はトータル22点。対して2位の小川毅士は39点。この時点で、すでにほぼダブルスコアに近い。そして3位は野崎。小川友幸は野崎と同点の40点だが、クリーン数の差で野崎が3位となっていた。
3ラップ目、トップ争いに波乱はなかった。しかし2位争いは接近戦だ。野崎がようやく減点を減らしてくれば、小川友幸もまた自身のスコアを更新してくる。ここで後退してしまったのが、小川毅士だった。全日本選手権では久々の3ラップ制。これが小川毅士のペース配分を乱したのかもしれない。
結果、黒山がぶっちぎりで今シーズン2勝目をあげ、2位に小川友幸。小川に1点差で、野崎が3位表彰台を獲得した。
2位争いが熾烈になっているため、ランキング争いは黒山が早くも2位小川を8点リードしている。
【黒山健一のコメント】
手のけがをしているので、苦しい戦いになるかと思いましたが、それを言い訳にせずに走ろうと思いました。途中、確かに苦しいときも痛いときもありましたが、3ラップ目には、5セクション以外は全部クリーンして回れたので、今日はまぁいい大会だったのではないかと思います。5セクションは、なんとか登りたかったのですが、だめでした。次、また挑戦したいです。
【小川友幸のコメント】
2ラップ目の減点が多かったですね。むずかしい設定ではなかったと思いますが、5点になりやすいセクションが多く、1日中安定しないままのトライアルになってしまいました。2位争いが接戦だというのは知っていたので、3ラップ目は気合いを入れ直して集中して走りました。
【野崎史高のコメント】
終盤で小川選手と2位争いをしていることは知らず、もっと成績が悪いのかと思っていました。終わってみれば1点差で2位を逃したということで、とてもくやしい思いをしています。ただ今日はまったく調子が出ないままの大会だったので、それで2位争いができたというのはせめての収穫でした。これで喜んではいられません。
|
1ラップ目、トップは開幕戦勝利の本多元治(ホンダ)。このまま2連勝に向けて突っ走るかと思いきや、1ラップ目の3点に対して2ラップ目に21点の大量減点を喫して優勝争いに赤信号。
代わってトップに出たのが加賀国光(ガスガス)だった。加賀は1ラップ目に9点で3位に漬けたが、2ラップ目にラップ・オールクリーン。これは快挙だった。しかし3ラップ目に14点をとって、勝利の行方はわからなくなった。終わってみれば、小森文彦に1点差での辛勝だった。
【加賀国光のコメント】
3ラップ目に崩れてしまったので、優勝は別の人がするものだと思っていました。2ラップ目にオールクリーンもできたし、いい思い出ができました。ぼくはこれが初優勝なんです。今年はオートバイの性能もすごくいいので、次の九州でもがんばりたいと思います。
|
年に1度、近畿大会にだけ出場している和田弘行(ホンダ)は、往年のB級トップライダー。すでに50歳を過ぎているが、その実力と勝負への執念は衰えていない。
今回はオールクリーンが何人も出るのではないかという神経戦で、1ラップについた1点で勝利は遠のいたかと覚悟したということだが、1ラップ2ラップでオールクリーンをした本間守(ホンダ)が3ラップ目に5点を取って、勝利は和田の元に飛び込んできた。和田の我慢の勝利だった。
【和田弘行のコメント】
オールクリーンが4人いると教えてもらってな、こっちは1点ついてもうてるやろ、これはやばいなぁと。5セクションは、あそこは気ぃつけなあかんと話してたんや。そしたら足ついてもうた。それでもそこで本間くんが5点とってたんやね。ほな、また来年な。からだ動いてたら、また出るわ。
|
|
|
|
|