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<2018MFJ全日本エンデューロ選手権第1戦>レポート/託したバトン、奪い返す。今年も強い鈴木健二

この数年、定番となっている全日本エンデューロ選手権の広島での開幕だが、だいぶ暖かくなってきた矢先に雨予報。1週間ほど前からその気配も濃厚だったことから、土曜に現地入りするライダーたちからはすでに雨の対策をとる姿が見られた。コースの方も、難しい設定だと見られていた箇所は、コースインスペクターの指示によって修正がおこなわれるほど。

コースどりは、昨年とは異なりテージャス山の逆側がルート、グラストラック側がテストに設定。2016年によく似たものと言えるだろう。ハイスピードの難しい牧草地帯と、モトクロスコース、そしてロックリバーが連なる多種多様な路面。タイムを狙うには経験も必要だ。

前日土曜日には、ISDEのワールドトロフィーチーム発表の催しも。2018年は、太田幸仁、荒川一佳、友山雅人、後藤敏文の4名が世界を舞台に戦う。

おなじみ、IAランカー全員集合も。


ホンダ2台が激突、2018年プレビュー

昨シーズンから、本格参戦を始めた田中教世、そしてチャンピオンである釘村忠が目下この開幕の主役とみられた今回。田中は、新型のCRF250Rを急いでエンデューロ仕様に組み上げた。GETのECUや、テックサーフのエキゾースト、SHOWAのエアサス、そしてメカニック肥後氏の入念なフィニッシュによって、純モトクロッサーでありエンデュランサーとして生じてくる新型CRFのネガティブポイントもカバー。釘村に至っても、昨年までにつみあげてきた経験やデータを活かして、万全な体制と言えるもの。鈴木健二は、昨年ISDEを率いてからというものの、檜舞台は若手へ譲ると常々発言。今戦も、YZ125Xと排気量を周囲よりも下げてのエントリーである。

IBでは、ベテラン陣をいかに若手が破っていくかが例年の話題だが、特にクロスカントリーで結果を出している保坂修一、飯塚翼らに注目が集まった。


釘村は2周目にミスで3番時計となるも、その後は終始安定してタイムをつめはじめ、グイグイと鈴木との差を拡大。6分台の戦いは一気に5分台へと突入していくトップ2だったが、とどめのラストラップでは釘村が5分44秒をたたきだし、文字通り鈴木は舌を巻いた。鈴木のファステストラップに10秒もの差をつけるスーパーラップに鈴木は「あれは、何に乗ったとしても、出せるタイムじゃ無い」とコメント。鈴木が完敗を宣言した瞬間である。
3番手はそつなく3番時計を出し続けた友山で、ルーキー石戸谷はみごと4位をしとめて見せた。5位にベテラン内山裕太郎、田中は後半タイムを詰めたが6位に甘んじた。


託したバトン、奪い返す

しかし…、レースが始まってみれば今年もこの男、鈴木健二にしてやられることになる。スタンダードそのままでは無いためか、高回転まできっちり回る2ストロークエンジンが、テージャス山にコダマ。どこでスロットルを戻しているのかわからないくらいの開けぶりで、2周目から1番時計を連発。
8分10秒を切るのが非常に難しい中、7周目には7分58秒をマーク。なんとか1番時計を3度とった釘村も、8分5秒までつめるのが精一杯であった。釘村、田中ともにテストで追いつかれることがあるほどで、鈴木の神がかったアタックが続いた。

鈴木健二。YZ125Xには、KYBのエアサスとビルズパイプのチャンバーをセット


釘村は「今日は3回ミスをしました、エンストや、転倒や。それと、自分自身もなにか噛み合わないなと思いながら走っていました。でも、そうでなかったとしても、今日の健二さんには勝てないと思う」と。昨年、逆に釘村はこの広島でぶっちぎり、鈴木に「ああなったタダシは、ちょっと危険だ」と言わしめている。現時点、全日本エンデューロ選手権のスピードは極まって、元モトクロスファクトリーライダー達が自己分析しても、なかなかしきれない領域へ入っていると言えるかもしれない。
田中は「優勝するつもりで来たんですけど、健二さん速すぎですよね」と評価。後について走ったテストもあった鈴木は「タカセはモトクロス時代から丁寧な走りだったから、荒れた広島ではまだ恐怖感も感じるのかもしれない。もう数戦戦えばきっと変わります」とコメント。ポディウムは、鈴木、釘村、田中の順であった。

釘村忠も悔しい立ち上がりとなった


3位田中教世は、プライベートも激動の年


4位に入ったのは、今年ISDEにチャレンジすると宣言している友山雅人。KTMの125SXで、持ち前の元気さを披露している。「体力が無いのが課題なんですが、シックスデイズにむけてトレーニングも始めています。今日は腕上がりしちゃいましたけどね」とのこと。


ヤング・ジェネレーションがレースをジャック!!

毎年、上位メンバーはIAへ昇格するが、ここのところのエンデューロ人気もあってか、ルーキーの活躍から目が離せないIBクラス。この広島でも、クロスカントリーで名を馳せてきた保坂修一と、飯塚翼が激突。これまでも、JNCCでAAを張ってきたライダーがJECでIBを席巻した例がったが、まだクラスの成長株としてしか認識されていない保坂・飯塚の活躍は、想定外と言えるだろう。トップは保坂、2位は飯塚で分け合うことになったが、3位はモトクロスIAでエンデューロ経験も豊富な村上洸太。いかに上位2名が有望かが見て取れる。

保坂修一、4つの1番時計で圧勝


保坂のライバル、飯塚翼は2番手だがIBファステストタイムである8:25.44をたたき出している。二人とも十分にIAで通用するレベル


また、2018シーズンからナショナルクラスはNA、NBに分かれたものの、今大会はIBに上がれなかったライダーがNA陣へ、新規でNクラスに来た若手がNBへ参入しているような状況で、NBの上位陣がNAを圧倒している。特に、こちらもJNCCで台頭してきている若手の渡辺誉が勝利。4位に入った菅原悠花もJNCCのWAクラスで敵なしを誇るウィメンズだが、1周目でミスしたあげくの順位。今後の活躍が期待される。


ウィメンズクラスは、菅原聖子が順当なレース運びで優勝。今季はEnduroGPに併催されるウィメンズカップに日本人2名が招待されており、こちらの招待枠を争う1戦でもある(考慮されるのはRd.5日高ツーデイズエンデューロまで)。「もちろん、狙っています。今日は、みんな速い中で勝てて、うれしいです。一度増田さんの後ろを走ったんですが、かなりスピードがありました。そのラップが私のファステストですから」とのこと。

ウィメンズは強豪菅原聖子が奪取





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